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ファンタジー世界のトラベラー  作者: タケトシ
第一章:旅立ち
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第六話:初のモンスター討伐(前編)



 村の出入り口まで移動すると

「ストレングス!」

 メニイは自身とゼイルに身体能力上昇効果のある法術をかける。

 ゼイルは体を動かしたり、跳ねると声を上げる。

「おおっ!体が軽い。さすがだね!」

「いえ、法術師ですから。これで疲れも軽減できます」

 彼女は少し胸を張りながら言う。


 二人は村を出て西へと続く草原を歩き出した。



「今日も晴れてよかったですね?」

「そうだね。雨の中一時間歩くのも、気分が良くないよね?」


 取り留めの無い話をしながら歩いてゆくと、岩が目立つようになる。

「そろそろですかね?」

 村から出て一時間程というところでメニイが呟いたとき、’キンッ ’という金属同士のぶつかるような音が聞こえた。

 何者かが戦闘しているようだ。

 二人はお互いに目を合わせると、音のする方に早足で近づいて行った。


 短剣を構えた、茶髪ショートカットで緑色の瞳の女性が、武装したゴブリン二匹に挟まれた状態で対峙している。


 するとゼイルは弾かれたように駆け出し、片手剣を抜く。刹那、

 ’バリバチィッ!! ’

「ギィ・・・イ・・・」

 轟音と光が発生し、ゼイルの狙いとは逆のゴブリンが地面に崩れ落ちる。

「後はお願いします!」

 メニイが叫ぶ。


「了解!」

 ゼイルは返事をしながら、もう一方のゴブリンの懐に飛び込むと、剣を横に薙ぎ払う。

「ギ、ギ・・・?」

 ゴブリンは反応する間もなく、体が上下に裂かれた。

 相変わらずの剣技である。


 ゼイルは剣の血を振り払って腰の鞘に戻すと、短剣を持ったまま立ち尽くしている、可愛いというより綺麗な女性に声を掛ける。

「大丈夫かい? 見たところ歳は近いみたいだけど・・・」

 メニイもそこに駆け寄ってくる。


「・・・助けてくれてありがとう。私は ミリィー・アーケリィ。一人で冒険してるんだけど、ゴブリンに襲われてしまって・・・。それにしてもすごい剣の腕ね? あんなの見るのは初めてよ!」

「そうかな? 俺は ゼイル・クレイン 。怪我も無さそうだし、良かった」

 するとメニイもミリィーに声を掛けた。

「あの~、私は メニイ・フォーカルス です」

 ミリィーはゼイルのことだけを見ていた。

「あら、ごめんなさい。メニイもありがとう」



 しばらく休んでミリィーが落ち着くと、ゼイルが声を掛ける。

「一人で冒険してるんだね。見たところ戦士って訳でも無さそうだし、危険じゃないかな?」


 するとミリィーは俯いたまま数秒間沈黙した後、口を開く。

「・・・あの、もしよかったら私をパーティーに加えてもらえないかしら? 一時的にでもいいから、お願いします」


 頭を下げられると、ゼイルはメニイに意見を求める。

「どうかなメニイ。パーティーに入れた方がいいんじゃないかな?」

「・・・まあ、そうですね。一人では危険ですしね」

 メニイがそう答えると

「ありがとうゼイル、メニイ!」

 ミリィーはそう言ってゼイルに抱き着いた。

「ミリィー! ちょっと・・・」


 ゼイルが赤面し、あたふたしていると

「ゼイルさん、一体何をしてるんですか?」

 メニイが今までに見たこともないような顔で、声を震わせながら詰め寄る。

「いやっ、これは俺がしてるんじゃなくて・・・」

「早く離れてください!!」

 メニイはミリィーを背中側から掴んで、ゼイルから引き離した。

 普段見せない怪力だ。


 するとミリィーは二人に尋ねる。

「もしかして付き合ってるの?」

 すると二人はあわてて首を横に振って否定する。

「なら、いいでしょ?」

 ミリィーはそう言って再びゼイルに抱き着こうとするが、その前にメニイに肩を掴まれた。


 ゼイルはメニイの体が薄白い光で覆われていることに気づく。

「・・・もしかしてストレングス二重掛け?」

 女子二人が口論する中、呟いた。



 彼女達が落ち着き、今回の経緯をミリィーに聞くことになった。

「数日前まで他のパーティーに所属してたんだけどね。今は十九歳だからあと一年くらいは冒険の経験を積まないといけないから、仕方なく一人で旅をすることにしたんだけど・・・」

 ミリィーは元パーティー離脱の理由は話したくないようだった。

「職業はシーフ。索敵が得意なの」


「シーフというとダンジョンの罠解除とか鍵開けが得意なんですか?」

 メニイが尋ねる。

「・・・まあ、そうね」

 ミリィーは僅かに素っ気なく返答した。


 するとゼイルはテンション高めに言う。

「丁度良かった! ダンジョンではそういうスキルは必須だし、もう一人くらい仲間がいればと思ってたんだよね、メニイ?」

「・・・そうですね。まあ良いんじゃないですか? 多少ハレンチな人ですが」

 メニイに言われるとミリィーは反論した。

「ハレンチだなんて・・・。私は自分の気持ちを素直に表現してるだけなのに」

 するとメニイが顔に青筋を立てて言う。

「それがハレンチなんです! 少しは自重してください! そもそもそんな恰好で恥ずかしくないんですか!?」


 ミリィーの服装は、上はボタンを外して谷間が少し見えるように着たベージュのノースリーブの服、下は黒いミニスカート、また黒いガーターベルトストッキングを着用しているというものだった。靴は茶色の革靴である。

「この格好、可愛いわよね?」

 ミリィーは上目遣いにゼイルに尋ねる。

「よく、似合ってると思う・・・」

「ゼイルさんはどっちの味方なんですか!?」

 メニイが声を荒げる。


 対してメニイはグレーの長袖シャツに薄ピンクのミニスカートを着て、白いオーバーニーソックスを履き、上着代わりに白いローブを羽織っている。また、靴はピンク色である。


 ゼイルは一瞬沈黙した後、口を開く。

「白いローブがメニイの桜色の髪にピッタリだね」

「えっ、・・・もうゼイルさんたら」

 メニイはそう言うと、両手を頬に当てて笑みを浮かべた。



 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

 

 もしよかったら次話もご覧ください。

 よろしくお願いします。

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