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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
幕間㉗

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閑話㉗ー1 ルナと翠の作戦会議⑪

 瑛士たちが飯島の襲撃を受けてフロアが煙に包まれた頃、その様子を一歩引いた位置で眺めていたルナが口を開く。


「思ったよりも派手にやってくれるな……まあ、こっちにはどこで何をしているかバレバレだけど」


 目を細めながら様子を窺っていると、すぐ隣から間の抜けた声が聞こえてきた。


「ふぁーもう終わっちゃった? なんか煙たいし、すっごいうるさい声は響いているし……もうちょっと静かにしてくれないかな!」

「お前……今の状況でよく()()()()()()と思うよな……」


 呆れた顔でルナが隣を見ると、体を丸めて気怠そうに欠伸をする翠の姿があった。


「え? だってここのフロアは床の草がすごくふわふわで、お昼寝に最高なんだよ? 暖かいし、さっきまでうるさくなかったじゃん」

「いや、静かでもなかったんだが……」


 目を閉じたまま話す翠を見て、ルナが呆れたように話しかける。すると、新たな爆発音が響き渡り、二匹の元にも風と共に細かい岩の破片が飛んできた。


「ニャー! 人がお昼寝しようとしているのに、小石を投げてくるって何を考えているんだよ!」

「いや、投げたんじゃなくて飛んできたんだよ……なんか爆発しているし」

「はあ? 爆発したって? そこまでしてお昼寝の邪魔をしたいの?」

「それは違うと思うぞ。ご主人たちが飯島の襲撃を受けてその副産物のようなもんだし」

「ムキー! 何で結界を張ってくれてないの! この場所なら安全って言っていたじゃん!」


 昼寝の邪魔をされたのが相当気にくわなかったのか、悪態をつき始める翠。そんな様子を見て、ルナは大きなため息を吐いて頭を抱える。


(ダメだ……全く話が通じない……お前が昼寝をするためになんで結界を張らないといけないんだよ……ってか、その辺が得意なのはお前の方だろ)


 冷めた目で見つめながら心の中で文句を言っていると、ようやく昼寝をあきらめた翠が立ち上がる。前足を突き出して体を伸ばし、大きなあくびをするとルナに話しかける。


「ふぁー、うるさくて眠れないし、仕方がないから起きる!」

「お前な……この状況でよく文句を言えるよな……」


 不機嫌そうに話す翠を見て、大きく肩を落として再び大きなため息を吐くルナ。


「そろそろ話を聞いてくれる気になったか?」

「え? なに? さっきから話は聞いているよ? いい大人が大暴れして、土煙まみれにしているんでしょ?」

「そんなこと言ってねーよ!」


 全然理解していない発言を聞き、ルナの絶叫が響き渡る。しかし、瑛士たちはまだ飯島の襲撃の真っ最中だったため、その声は爆発音にかき消されてしまう。


「え? ルナさん、何か言った?」

「……いや何でもない……」


 顔を傾げながら不思議そうに問いかける翠に、遠くを見つめながら答えるルナ。そんな姿を見ていた翠が、フロアを見渡すとある物を発見して声を上げる。


「へえ、面白い物が出現しているじゃん。しかも、今までの物とは違う強力なのが」


 翠の声を聞き、不敵な笑みを浮かべて答えるルナ。


「ほう? お前も気が付いたか」

「そりゃあんな目立つ光が出ていたらね。でも、アレは()()()だよ」

「へ? ハズレ?」


 翠の口から飛び出した思いがけない言葉を聞き、豆鉄砲を食らった鳩のような顔で聞き返すルナ。その姿を見ると、小さく息を吐きながら答える。


「ルナさんらしくないな。あの光はダミーというか、魔法で空間を歪ませているみたいだね。本体は逆方向……不自然に煙がないところだよ」


 翠に促されて反対方向を見て、思わず固まってしまうルナ。視線を向けた先にあったのは、フロアの中で不自然に煙が避けているエリア。あれほどの爆発があったにもかかわらず、何事も無かったように、綺麗な草原が広がっている。


「な、なんだあの空間は……どうしてあそこだけ?」

「これは予測でしかないけど、ルリさんの欠片だっけ? それが埋もれている可能性が高いと思うんだ。しかも……おそらく大物が」


 真剣な表情で話す翠を見て、思わず喉を鳴らすルナ。すると、先ほどまで鳴り響いていた爆発音が止まり、徐々にフロアの様子が明らかになり始める。ところどころに黒焦げになったモンスターが倒れており、瑛士たち以外にも人間がいたことが明らかになる。


「な……ご主人以外にも人がいたのか……でも、アレは飯島ではないし、いったい誰だ? どこかで見覚えがあるような気もするが……」


 行き倒れたように横たわる人を見て、ルナが目を細めていた時だった。隣にいた翠が話しかけてきた。


「ルナさん、ボサっとしている暇はないよ……さっき攻撃をしてきた人の気配は消えたけど、いつ戻ってくるかわからないし……」

「そうだな。でもどうするんだ? 一応目印になる場所はわかったが、肝心の物がどこにも見当たらないぞ?」


 左右に顔を振ったルナが真剣な表情で話しかけると、不敵な笑みを浮かべた翠が声を上げる。


「そうだね。見えていないのなら、無理やり見えるようにしちゃえばいいんだよ!」


 言い終えた翠の全身から黒いオーラが溢れ出すと、ルナの顔が徐々に引きつり始める。

 いったい翠は何をしようとたくらんでいるのか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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