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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十七章 ルリの探し物

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第5話 光の正体とルリの不敵な笑み

 渋い顔をしている音羽を見て、瑛士が笑いながら話しかける。


「おいおい、どうした? すでに光の道筋はついているし、ご丁寧にモンスターが導いてくれたんだぞ?」

「それはそうなんだけど……瑛士くんは不自然に光っているあの光景を見て、何も感じないの?」


 眉間にしわを寄せて話す音羽を見て、瑛士が一瞬怯む。しかし、すぐに笑みを浮かべると、彼女の肩を叩きながら声をかける。


「まあ、たしかにおかしな光景だが……ここは迷宮だぜ? 現実ではありえないことが起こるなんて普通なんだから、気にしてもしょうがないぞ」

「まあ、そうなんだけど……」


 楽観視する瑛士の姿を見て、困ったような顔で何も言えなくなる音羽。すると、怪しげな笑みを浮かべたルリが近づきながら声をかける。


「どうしたんじゃ? ずいぶん楽しそうな話をしているようじゃな」

「おお、ルリか。せっかく目的のものが見つかったかもしれないのに、音羽がやけに慎重になっていてな。だから俺が取ってきてやろうと思ってさ」

「ほうほう。それはありがたい話じゃのう。それで音羽お姉ちゃんは、どうしてそんなに慎重になっているか聞いたのか?」

「うーん、聞いたと言えば聞いたな。あの光が()()()だと言っているが……気にしすぎだろ」


 腕を組んで大きく頷きながら語る瑛士に対し、額に手を当てて呆れ返ったようにため息を吐く音羽。対照的な二人を交互に見ると、目を細めたルリが声を上げる。


「ふむ……なんとなく状況はわかったのじゃ。それじゃあ、ご主人……そんなに自信があるようじゃから、さっさと回収してきてはどうじゃ?」


 思いもよらぬルリの提案を聞き、驚いた音羽が焦ったような声を上げる。


「ルリちゃん、正気なの? さっきモンスターもあの光の前でなぜか息絶えたし、絶対罠が仕掛けられているに違いないわよ!」


 必死に訴える音羽の声を聞き、ルリが片目を閉じながら声を出さずに口だけ動かして答える。


(そんなことわかっておるのじゃ。大丈夫、ご主人はそこまでたどり着けないから心配いらないのじゃ……とな?)


 口の動きから言葉を読み取った音羽は、意図を理解するとすぐに落ち着きを取り戻す。同じように口を動かし始めると、すぐにルリは笑みを浮かべて頷く。


(ルリちゃん、わかったわ。それじゃあ瑛士くんに向かわせるように仕向けるわ……ということなのね。さすがルリちゃん、理解が早くて助かるわ)


 満足げな顔で頷いているルリを見て、何もわかっていない瑛士が不思議そうに問いかける。


「ルリ、なんかすごく楽しそうだが……なにかあったのか?」

「ん? 別に大したことではないのじゃ。それよりもご主人、早く回収にいかなくても良いのかのう?」


 口元を吊り上げ、怪しげに笑いながら声をかけるルリ。その姿を見て一瞬嫌な予感が頭をよぎるが、すぐに顔を左右に振って答える瑛士。


「なんかその含み笑いに怪しさを感じるが……まあ、さっさと回収してこれば済む話だ。それじゃあちょっと行ってくるぞ」


 意気揚々と光を放つ場所に向かって歩き始める瑛士。


「おお、ご主人。頑張ってくるのじゃぞ」

「まったく大げさなやつだな。そんなに頑張る必要はないと思うぞ」


 笑顔で手を振って見送るルリに対し、少し呆れたような顔で答える瑛士。すると心配そうな表情をした音羽が後ろから話しかけてくる。


「ルリちゃん、笑顔で送り出したけど……本当に大丈夫なの? さっきモンスターの断末魔が響いた時、あの光が一瞬強くなったのよ? それに掘り返していた場所だって、今見えている位置よりも手前の方だったし……」

「ふむ。それは最初からわかっておるのじゃ。ご主人が見ている()()()()()()のようなものじゃしな」

「は? 幻ですって? どういうことなの?」


 話を聞いていた音羽が思わず大声を上げると、ルリが慌てて両手で口を塞ぐように飛びかかる。


「ん? 音羽、今なにか叫ばなかったか?」

「な、なんでもないのじゃよ! ちょっと話していたら音羽お姉ちゃんが驚いただけじゃ」

「そうなのか? そんな驚くようなことって気になるな……」


 振り返った瑛士が顎に手を当てて顔を傾げていると、ルリが焦ったような声を上げる。


「ご、ご主人! 女の子同士の話を盗み聞きするのは感心しないのじゃ! 男なら気にせず前を進むのじゃ! 某有名な塾長も言っておるじゃろ? どんな障害があろうともひたすら真っすぐ進めと」

「いや、そのマンガは知っているが……それは違うというか……」

「細かいことなんぞどうでもいいのじゃ! 男なら死ねいなのじゃ!」

「そんな無茶苦茶な……そもそも都合の良いときだけそのネタをぶち込むのはやめろ……」


 ルリの無茶振りを聞き、呆れたような顔で答える瑛士。渋々と言った様子で再び前を向いて歩き出す様子を見て、ルリは胸をなでおろす。


「むー! むむむー!」

「あ、忘れておったのじゃ!」


 口を塞がれて顔を真っ赤にした音羽が声を張り上げると、慌てて手を離すルリ。


「ぷっはー! めちゃくちゃ苦しかった……」

「ごめんなさいなのじゃ……ご主人もなんとかごまかせたし、まあ良かったのじゃ」

「そうね。私もビックリして大声を出したから……それで、さっき言っていた話なんだけど、見えているのが幻ってどういうことなの?」


 息を整えた音羽が問いかけると、怪しげな笑みを浮かべるルリ。

 彼女はいったい何を知っているのだろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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