表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
幕間㉖

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
376/389

閑話㉖-7 もう戻れない場所へ……

「……というわけで、八階層へ向かわせるように仕向けたのです」

「なるほどね。まあ上出来じゃない」


 アイスを頬張りながら上機嫌で飯島が答える。すると険しい顔をした紀元が口を開く。


「博士……人の話をちゃんと聞いていました?」

「ほえ? 聞いていたわよ。あ、ちょっと待って、頭がキーンとして……」


 こめかみに手を当てると眉間にしわを寄せて答える飯島に対し、呆れたような顔で紀元が話しかける。


「だから、アイスを食べながらはやめましょうって、言ったじゃないですか……」

「だってアイスに罪はないし、食べないといけない使命があるの。そんなタイミングで話しかけてくるほうが悪いのよ!」


 めちゃくちゃな暴論を振りかざす飯島に対し、意に介さずといった様子で適当に相槌を打つ。


「はいはい、そうですねー。それは大変でしたー」

「む? 心底バカにしているように聞こえるんだけど?」

「そんなことないですよー。呆れているだけです」

「きー! やっぱりバカにしているじゃない! 私を誰だと思っているのよ!」


 やる気のない返事を繰り返す紀元に対し、スプーンを加えた飯島が金切り声を上げる。すると即座に両手で耳をふさぎ、大きなため息を吐くと反論を始める。


「別にいつものことですから、何とも思っていませんよ。ただ早く本題に答えてほしいだけです」

「本題って何だったかしら? 新発売のアイスレビューについてだっけ?」


 すっとぼけたように飯島が答えると、目の前にある机を勢いよく叩いて紀元が声を荒げる。


「違うでしょうが! さっきも言いましたが、賢治とかいう男がいろいろと()()()()()()って話です!」

「へえ……遥香って女は何も気が付いていなかったけど?」

「そうなんですか? てっきり知っているものだと思っていました……男性のほうは迷宮から出られるとは思っていない感じでしたし」


 紀元の話を聞き、アイスを一気に食べ終えると小さく息を吐いて口を開く。


「まあいいんじゃない? 可能性はゼロじゃないんだし……まあ、女のほうが暴走しなければっていうことが大前提だけど」

「は? どういうことですか?」


 彼女が言っている意味が分からず、紀元が顔を傾げている。すると怪しげな笑みを浮かべた飯島が口を開く。


「男のほうが何を考えているのかはわからないけど、女のほうは野心むき出しだったからね。隙あらば逃げ出してやろうって」

「うわ……ほんとですか……そんなヤツに任せて大丈夫なんですか?」


 顔を引きつらせながら問いかけると、飯島が胸を張って答える。


「大丈夫よ。だって……絶対にうまくいくはずがないんだもん」

「は? どういうことですか? 全然意味が分からないのですが……」

「そんなの簡単よ。二人に渡した機械では、八階層のモンスターを()()()()()()()()()んだもん」


 あっけらかんと話す飯島を見て、大きく口を開いて固まる紀元。そんな彼の様子を見て、呆れたように話しかける。


「あの階層だけちょっと磁場が変というか、機械の調子がおかしくなるのよ。何度やっても原因がよくわからなくてね。まあ、こっちから変なことをしなければモンスターどもも襲ってこないし。それに……あの女、男のほうに相当恨みを抱いていたみたいだから、結末は相打ちが妥当なところじゃない?」

「なるほど……たしかに『私は悪くない』って感じでしたもんね」


 話を聞いた紀元が大きく頷くと、飯島が笑みを浮かべて話しかける。


「そうそう。なかなかいい性格しているのよね。まあ、あの階層に何かあるのはわかっていたし、犠牲を出すなら奴らで十分よ。どうせ社会のゴミなんだから」

「まあ、その言い方はどうかと思いますが……」

「間違ってないからいいの。それに、瑛士くんたちも何か企んでいるようだし……ちょっと新開発の機械を試してみたかったのよね」


 言い終えた飯島から発せられるオーラが一気に変わり、紀元の背筋に冷たいものが流れ落ちる。


(こ、この感じは絶対やばい奴だ……だが、俺は何かを期待している?)

「へえ? あんたも楽しそうじゃない?」


 飯島に指摘され、紀元が顔に手を当てると自分が無意識に笑っていたことに気付く。


「あれ? なんで俺は笑って……」

「あんたも分かっているってことでしょ? 瑛士くんたちにちょっかいはかけるけど……お楽しみはそのあとでしょ? 転移装置に引きずり込んでから」

「な……ばれていたのですか?」


 言葉を聞いた紀元が口を大きく開けて驚いていると、勝ち誇ったような顔をした飯島が答える。


「当たり前でしょ? 人類未到達のエリアに飛ばしてからが本番よ……私の最高傑作たちが遊んであげるのよ……もちろん、私も行くわ。以前はできなかった実験を試せるチャンスですもの」


 飯島の高笑いがモニタールームに響き渡ると、つられて紀元も笑い始める。


「ふふふ、もう戻れないところまで踏み込んでしまいました……博士、何が起こるのかしっかり見届けさせていただきますよ」

「当然よ! まずはあのゴミどもを処分してからね……待っていなさい、瑛士くん。私が直々に声をかけてあげるんだから」


 再び笑い声を上げると、立ち上がる飯島。そして、紀元と言葉を交わすと連れだってモニタールームを後にする。後に、この判断が大きな過ちだったと彼らが気付くことはなかった……

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ