表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十五章 八階層と近づく激突の足音

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
355/367

閑話㉕-5 静かに進む計画

「博士、いないんですか? 入りますよ」


 モニタールームを訪れた紀元が、セキュリティを解除して扉に手をかけた時だった。室内から異様な殺気を感じ、身を隠すように扉を勢いよく手前に引いた。


「博士を狙う不届き者め! 天誅!」


 室内から拳を構えた雫が勢いよく飛び出し、目の前に飛び出してきた。


「やっぱりお前か……しかし、まだ甘い」


 扉の影から左足を差し出すと、飛び出していった雫が引っかかって体が宙に浮く。


「え? ぷぎゃ!」


 顔面から勢いよく床にダイブして情けない声を上げ、数メートル滑っていく雫。その姿を見た紀元が額に手を当てて、大きなため息を吐く。


「まったく……殺気はダダ漏れ、相手の動向をよく確認せずに飛び出したらそうなるに決まっているだろ……俺よりも手慣れたやつだったら終わっていたぞ」


 床に突っ伏したまま動かない雫を見下ろし、呆れたように紀元が声をかける。


「だいたいこの部屋のセキュリティが尋常じゃないのは、お前もよく知っているだろ? そもそも、知っている人間しかたどり着けない場所だし、どれだけ監視カメラがあると思っているんだよ」

「そうよね、私もモニターに映っていると言おうと思ったんだけどね」


 室内から飯島が現れると、不敵な笑みを浮かべながら紀元に声をかける。


「あ、博士お疲れ様です……どうせ、雫を()()()()()()()を言ったんでしょ?」

「ソンナコトイワナイワヨーオモシロソウダッタカラチョットカラカッタダケ」

「なんでカタコトになっているんですか? この人……確信犯だわ」


 笑みを浮かべたままカタコトで話す様子を見て、何かを確信して肩を落とす紀元。すると、一番の原因であろう飯島が彼の背中をたたきながら声をかける。


「まあ、長い人生を生きていれば刺客の一人や二人に狙われることだってあるわよ」

「ねえよ! そんな危なっかしい人生は歩んでないから! 何をどうしたら命を狙われなきゃいけないんですか!」

「それは、ほら……企業秘密ってやつよ」

「意味がわからんわ!」

「まあ、それだけ私が優秀で絶世の美貌を持っていると言うことね! 人気者は辛いわ」


 胸を張って大きく頷きながら話す飯島を見て、開いた口が塞がらない紀元。思わず心の声が口に出てしまう。


「前者はともかく、後者は……」

「あ? なにか言ったかしら?」

「イエ、ナンデモナイデスヨー」


 鋭い眼光を向けられ、露骨に目をそらしながら答える紀元。飯島の視線が突き刺さる中、倒れている雫を見ながら話題を変える。


「そう言えば、何の用事があったんですか? 緊急で話したいことがあるから、すぐにモニタールームに戻れと聞きましたが」

「そうだったわね。ちょうど雫ちゃんも気絶しているみたいだし、先にそっちの話をするわ」


 倒れたまま微動だにしない雫を見て、飯島が小声で話を切り出す。


「ちょっと計画より早いけど、私も迷宮に行くわ。彼らが目指している八階層をちょっと見てみたくなってね」

「ああ、そうですか……って、何を言っているんですか? 八階層って異変が起きている場所ですよね?」


 飯島の口から飛び出した言葉を聞き、思わず聞き返す紀元。すると彼女はその返答を予想していたかのように、落ち着いた様子で答える。


「そうね。異変が起こっているみたいだし、彼らがどう対処するのか直に見たくなったのよ。それに()()()()()()()()にもってこいでしょ?」

「いや、それはそうですが……アイツらと対峙するのは相当気をつけたほうが良いかと思います。自分も接触したことがありますが、一切の隙がなかったですよ」


 険しい顔で語りかける紀元を見て、飯島は小さく息を吐くと口を開く。


「昔と比べて成長はしているでしょうね。でも、無策で突っ込むわけじゃないし、あの子達を連れて行くわ。それに……うってつけの二人がいるでしょ? そのために危険を犯してわざわざ足を運んだんでしょ?」

「やっぱりバレてましたか……まあ、あそこまで上手くいくとは思いませんでしたが」

「私を誰だと思っているの? まあ、そういうことだからちょっと遊びに行ってくるわ。本番は……アンタも来るんでしょ?」


 不敵な笑みを浮かべた飯島が問いかけると、こちらも笑みを浮かべて答える。


「もちろんですよ……どんな面白いことが起こるのか、しっかり見させていただきます」


 二人の視線が交わると、どちらともなく笑い声が上がる。すると意識を取り戻した雫が不思議そうな顔をしながら立ち上がる。


「いたた……あれ? 悟兄さん、いつの間に来ていたの? それより、不届き者はどこに!」

「あほか! もう少し冷静に周りを見ろ!」


 顔を左右に動かして慌てふためく雫の姿を見て、紀元が大きなため息を吐いて怒号を上げる。そんな様子を見た飯島は思わず吹き出すと、二人に声をかける。


「あはは! ほんと仲がいいのね。とりあえず部屋に入って話をしない? いろいろ話しておきたいこともあるし」


 飯島の言葉を聞いて無言で頷く二人。そして、三人がモニタールームに消えると、再び周囲には静寂が戻る。

 瑛士たちの知らないところで着々と計画は進行していた……

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ