表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十五章 八階層と近づく激突の足音

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
352/366

閑話㉕―2 飯島の企み

 紀元が賢治と対峙していた頃、彼らの様子をモニタールームでほくそ笑む飯島の姿があった。


「ふーん、やっぱりやるわね。男のほうは使い物にならないと思っていたのに……」


 座り込んで身動き一つしなかった賢治が立ち上がり、目に輝きが戻り始めた様子を見た飯島が呟く。


「紀元がどんな手を使ったのかは知らないけど、()()()を生き返らせるなんて……ただ者じゃないわ」


 短く言葉を交わし、歩き始めた賢治の目には何か強いケツイがみなぎっていた。飯島がマウスを操作すると、先を歩く紀元の顔がアップで映し出された。その姿を見ると、不敵な笑みを浮かべて椅子にもたれかかる。


「ふふふ……何かを企んでいる良い顔をしているわ。まあ、何を考えているのかはわからないけど、私を楽しませてくれるのなら大歓迎よ」


 飯島の笑い声がモニタールームに響き渡った時、視界の端に映った映像に目を細める。


「七階層の映像みたいね……って、どういうこと?」


 勢いよく椅子から立ち上がり、目の前にある机に手をついて叫ぶ飯島。彼女の目に飛び込んできた映像は、先ほどまでモンスターの死骸が散乱して草木が真っ赤に染まっていた七階層の様相ではなかった。まるで最初から存在していなかったかのようにすべてが消え、草一本すら生えていない土の地面がむき出しの荒野が広がっていた。


「ちょっと、どうなっているのよ? ほんの数十分前まで、惨劇の後としか言いようがない状態だったのに……なんで目を離したすきにすべてなかったことにされているの? いったい何が起こったのよ……」


 映し出された景色が信じられず、机を思いっきり叩きながら飯島が声を荒げる。そのまま顔を伏せると、今度は肩を震わせながら笑い声をあげる。


「ふふふ……私の頭脳すら欺いてくるなんて、本当に迷宮は面白いわ。でも、どうしてかしら? 前理事の豚どもを始末した時にはこんな現象は起こらなかったのに……」


 モニターを見つめたまま顎に手を当て、俯いて考え込む飯島。彼女の脳内に様々な可能性が駆け巡る中、ある一つの決定的な違いが脳裏をよぎる。


「もしかして……モンスターを全滅させると、異常事態を感知して自己修復を始めるとか?」


 目を見開いて顔を上げた飯島だが、すぐに顔を横に振って自分の予測を否定する。


「ありえないわ。三階層で崩壊が起きた時もこんな現象はなかったし、何なら他の階層で実験した時も……」


 眉間にしわを寄せ、様々な可能性を探る飯島。そして、すぐ左右に顔を振ると小さくため息を吐く。


「はぁ……どれだけ考えてもわからないわ。ほんと未知のことばかりで頭が痛いわ。でも、何かしらの条件を揃えれば、わざわざこっちが手を下さなくても証拠隠滅をしてくれるってわけね」


 目を細めた飯島が呟くと、不敵な笑みを浮かべて笑い声をあげる。


「そうだった、検証に使えるいい人材がいたことを忘れていたわ。自由のためならなんだってするって言っていたし」


 彼女の脳裏に浮かんだのは、先ほど話していた遥香だった。三階層の失敗により、迷宮内に閉じ込められていた彼女。飯島が自由をチラつかせると、どんなことでもやるとあっさり承諾したのだ。


「どうせ紀元のほうも同じ手を使ったに違いないし……あの二人を使えば()()()()()が得られそうね。まあ、自由はちゃんと報酬としてあげるけどね、この世からの開放という名の」


 再びモニタールームに飯島の高笑いが響き渡る。


「あはは! ホント滑稽だわ。わざわざ使い捨ての駒に別の人生なんて用意するわけないじゃない。アイツらがどこで裏切るかわかったもんじゃないしね。まあ、でも嘘は言ってないし……別の人生を用意するとは言ったけど、誰も今世でとは言っていないから。せいぜい来世ではいい境遇に恵まれることを祈っているわ」


 笑い続ける飯島が視線を動かした先には、どこかの控室のような場所で用意された食事を美味しそうに頬張る遥香の姿が映し出されていた。


「ふふふ、ホントこの後どんな運命が待ち受けているかも知らずに……まあ、その時が来るまで思う存分楽しむといいわ。男のほうは……ま、紀元が戻ってきたら聞けばいいわね」


 再び椅子にもたれかかると、小さく息を吐く飯島。


「さて……準備は整いつつあるし、私もそろそろ迷宮に出向こうかしら? 久しぶりに瑛士くんの顔も見ておきたいしね」


 六階層が映し出されたモニターに飯島が視線を送ろうとした時だった。突然、モニタールームの入り口をノックする音が聞こえた。


 彼女の元を訪ねてきた人物とは――いったい誰なのだろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ