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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十四章 ルリの探し物

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第7話 なにか勘違いをしている?

「ご主人、少しは声のトーンを落とすのじゃ。前と同じ過ちを繰り返したいのかのう?」


 胸のあたりで手のひらを天井に向け、ルリが大きなため息を吐いて話しかける。するとその言葉の意味を理解していない瑛士が、不思議そうに聞き返す。


「なんだ? 同じ過ちって?」

「なんじゃ、もう忘れたのか……二階層で大声を出してホーンラビットどもに囲まれたことを……」


 彼女の言葉を聞いた瑛士が手を叩き、口を開けて答える。


「あーそんなこともあったな! でも一か所にモンスターが集結して、結果的には楽だったしよかっただろ?」

「それは二階層だからじゃろうが……これから行く六階層はそんな簡単にいくとは思えぬが?」


 怪訝そうな顔でルリが話しかけると、そんな忠告など関係ないといった様子で鼻で笑い飛ばす瑛士。


「はっ。六階層ごときのモンスターがいくら集まっても、俺の敵じゃねーよ」

「ずいぶん余裕がありそうじゃな? 何か勝算でもあるのじゃろうか?」


 やけに自信たっぷりに話す瑛士を見て、ルリが問いかける。すると腕を組みながら胸を張って答える。


「ああ、六階層のモンスターはイノシシのような奴らだからな。動画で何回か見たが、統率が取れているわけでもないし、基本的に突っ込んでくるしかない単細胞な奴らだった。よほどへまをしなければ問題ねーよ」

「ん? 六階層のモンスターって()()()()()()()()()()じゃないわよ?」


 黙って話を聞いていた音羽が、眉間にしわを寄せながら話に割り込んでくる。


「は? 何を言っているんだ? 何度も確認したから間違いねーよ」

「その動画が合っていればね……ちゃんと迷宮の公式が出している各階層の案内は見てないの?」

「なんで奴が作ったような資料を見なきゃいけないんだ?」


 嫌悪感たっぷりな表情で吐き捨てるように瑛士が話すと、額に手を当てた音羽が呆れたように答える。


「……呆れたわ。普通は公式の案内には目を通すでしょうが……まあ、一つ忠告しておいてあげるわ。頭上からの攻撃に注意しなさいよ」

「は? なんで頭の上からの攻撃に気を付けなければいけないんだ?」


 音羽の言っている意味が分からない瑛士が聞き返すが、彼女はそっぽを向いてため息を吐きながら答える。


「忠告はしたからね。まあ、何が起こっても手出しはしないから」

「ああ、任せとけ。ところでルリ、お前が決めたルールってどんな内容だ?」


 瑛士がルリに向き直ると、先ほど言っていたルールについて問いかける。


「ああ、そうじゃったな。ルナもちゃんと聞くのじゃぞ」

「キュー!」


 声をかけると元気な鳴き声を上げ、四つ足をついて胸を張るルナ。その様子を見たルリは軽く咳払いをすると、ゆっくり口を開く。


「それではルールを説明するのじゃ。入り口を入って左側のフロアをご主人、右側のフロアをルナが担当するのじゃ。真ん中に小川が流れておるから、そこを境目と思ってくれればよいぞ。まあ、六階層は二階層のような草原を中心としたフロアじゃからな。基本的に迷うようなことはないはずじゃ」

「ルリ、ちょっと聞いてもいいか?」


 説明を聞いていた瑛士が手を上げ、ルリに問いかける。


「真ん中に小川があるのはすごくわかりやすい。しかし、ゴール地点を決めておかないと、どこを目指していいのかわからないんじゃないか? 二階層のような感じといわれても、あっちは全然目印になるようなものはなかったし」


 眉間にしわを寄せた瑛士が問いかけると、勝ち誇ったような顔をしたルリが胸を張って答える。


「ふふふ、わらわがそんな重要なことを見落とすわけがなかろう! フロアの一番奥に大きな木があるのじゃ。まあ、見たらすぐわかるくらい大きいから、そこに早くたどり着いた者を勝者とする……という条件ではどうじゃろうか?」


 笑みを浮かべたルリが問いかけると、瑛士とルナが次々と声を上げる。


「へえ、わかりやすくていいな」

「キュー、キュキュキュ」

「まあ、先にたどり着くのは俺だけどな! せいぜい頑張ってくれたまえ」

「キュー? キュキュキュ」

「あ? 大口叩くのは勝ってからにしろ。まあ、途中で野垂れ死んでも助けてやらないからな……って、いい度胸しているじゃねーか。お前のほうこそ、モンスターに吹き飛ばされないようせいぜい気を付けるんだな」

「ギュー! ギュギュギュ!」

「あ? お前のような口だけ野郎に言われたくねーよ。悔しがる顔が楽しみだ……だと?」


 再びお互いを煽り、火花を散らす瑛士とルナ。その様子を見ていたルリは、額に手を当てて大きなため息を吐く。


「はぁ……ほんとにこの二人は……本当に大丈夫かのう。それに……吹き飛ばされるようなモンスターなんぞおったかのう?」


 瑛士の言っていた言葉を思い出し、顔を傾げるルリ。すると、近づいてきた音羽が苦笑いを浮かべながら声をかける。


「ルリちゃん、やっぱり瑛士くんは勘違いしているわよね。なんか攻略動画を見たって言っているけど……」

「何の動画を見たのじゃろうか? ご主人がいうモンスターは七階層だったはずじゃが……」


 ルリと音羽が顔を合わせ、大きく息を吐いた時だった。瑛士のスマホがけたたましい通知音を鳴らし始める。


「あ? なんで通知が鳴りやまない……って、これはどういうことだよ!」


 スマホの画面を見た瑛士が声を上げ、その場に固まってしまう。


 はたして彼のスマホに届いた通知とは、いったい何だったのか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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