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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十四章 ルリの探し物

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第5話 ルナは策士だった?

「さてと……そろそろ瑛士くんを止めないと埒が明かないわね」


 大きなため息を吐いた音羽が冷めた目で見た先には、ルリに詰め寄る瑛士の姿があった。


「だーかーら、何でお前の配信なのに俺が全部やらないといけないんだよ!」

「は? ボスは最後に美味しいところを持っていくというのは、昔から決まっておるじゃろ? わらわがより引き立つように頑張るのじゃぞ」

「なんでそうなるんだよ! おまえがやれって言っているだ……いでっ!」


 さらにルリに詰め寄ろうとした時、瑛士の頭に鈍い痛みが走るとその場にうずくまる。


「まったく……いい加減にしなさいよ。ほら、ルナちゃんだって怒っているでしょ?」

「ギューギュギュ!」


 怒りの声を上げながら、後ろ足を跳ね上げて力強く地面に叩きつけるルナ。すると後頭部をさすっていた瑛士が立ち上がり、抗議の声を上げる。


「いってぇ……なんでお前は毎回俺の後頭部を思いっきり蹴り上げるんだよ……」

「ギュー、ギギューギュ」

「迷宮の中にいるのに隙を見せるお前が悪い……って、モンスターがいるフロアならまだしも、ここは一応安全圏の通路だろうが!」

「キュー? キューキュキュ」

「そんな事言われてもウサギだからわかんない……じゃねーよ! お前が言ったんだろうが!」


 ルナの煽りを受け、茹でダコのような顔になる瑛士。その様子を見ていた音羽は、額に手を当てると項垂れて呟く。


「まったく……ルナちゃんとどうしてもうちょっと仲良くできないのかしら……」

「まあルナも()()()()()()()()ところはあるじゃろうしな」


 いつの間にか隣に来たルリが腕を組み、胸を張って答える。その言葉に引っかかりを覚えた音羽が思わず聞き返す。


「え? 狙ってやっているってどういうこと?」

「んーご主人ってすごく頑固なところがあるじゃろ? 人に指図をされるのがすごく嫌いというのか……」

「あーたしかにそうね。研究所にいたときもすごく反発していたし……まあ、アレはやりたくもないことを強要されていたのはあるけど」


 音羽が顎に手を当てて考えていると、ルリが腕を組みながら話しかける。


「まあ、あの研究所は最悪だったのは間違いないのじゃ……」

「でも、あそこまで煽り倒して大丈夫かしら?」


 疑問に思った音羽がルリに問いかけた時、言い争っていた瑛士が啖呵を切るような声を上げる。


「あー! わかったよ! 見せてやろうじゃね―か、俺が本気を出せば六階層なんて五分もかからずにクリアしてやるよ!」

「キュー? キュキュ」

「なに? やれるもんならやってみろ、どっちが早く敵を倒しきるか勝負するか? だと? 望むところだ! お前にだけは絶対負けないからな!」


 お互いの視線がぶつかって火花を散らす瑛士とルナ。その様子を見ていた音羽は、乾いた笑みを浮かべて呆れたように呟く。


「なんか……すごいことになってきちゃったけど、大丈夫なのかしら……」

「あーうん、まあ大丈夫じゃろ。ああ見えてルナもなかなか強いのじゃから」

「いや、それはわかっているんだけどね。ああなった瑛士くんは止められないから、大丈夫かなと思っただけよ」


 未だ火花を散らしながら睨み合う瑛士とルナを見て、顔を合わせて大きなため息を吐く二人。そして、小さく頷くと彼らのもとにゆっくり近づいて声をかける。


「はいはい、もう話しかけてもいいかしら?」

「あ? 音羽か。もう少しあとにしてくれないか? 俺は負けられない戦いの真っ最中なんだ……」


 声を聞いて一瞬だけ視線を動かした瑛士だが、すぐ目の前にいるルナを睨みつける。すると、今度はルリが呆れたように話しかける。


「ルナ、お前もいつまでやっておるのじゃ……」

「キュー! キューキュキュ!」

「なになに? ご主人様には申し訳ないですが、ここで引くわけにはいかないのです! この無礼者にひと泡吹かせないと! じゃと?」

「キューキュキュキュ」

「あーうん、まあそれは気の済むまでやればよいのじゃが、少しはわらわたちの話を聞いてくれんかのう?」


 聞く耳を持たない瑛士とルナを見て、苛立ったルリが少し圧をかけながら声を上げる。全身がうす黒いオーラに包まれ、徐々に空気が張り詰め始める。すると、隣にいた音羽も満面の笑みを浮かべて声をかける。


「ねえ、瑛士くん……ちっとも話が進まないから一度やめてもらえない?」

「いやだからさっきも言ったよう……」


 声を聞いた瑛士が軽く受け流そうと顔を向けると、不気味な笑顔を浮かべた音羽と目があった。全身から溢れ出すオーラを感じ、思わず言葉を失ってしまう。


「あら? どうしたのかしら? ちゃんと話を聞いてくれるわよね?」

「あ、はい……」


 逆らうことを本能が拒絶し、大人しく従う瑛士。すると、先程まで睨み合っていたルナも、額から滝のような汗を流して固まっていた。


「よし、話を聞いてくれるようでわらわは嬉しいのじゃよ。のう、ルナ?」

「キュ……キュ」

「瑛士くんも理解が早くて助かるわ」

「お、おう……」


 いつの間にか地面に正座して座る瑛士と四つ足をついて背筋を伸ばすルナ。正面には満面の笑みを浮かべたルリと音羽が立ち、異様な空気が通路内に漂い始める。


「さて、ご主人たち。タイムアタックを行うのは構わんが、わらわたちがルールを提示しようと思うのじゃ」


 ルリから告げられたのは、タイムアタックについてのルールの提案だった。いったい彼女はどんな提案を持ち出すのだろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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