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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十三章 明らかになる迷宮出現の裏側

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第8話 拾った機械の正体

「ご主人、ずいぶん難しい顔をしておるがどうしたんじゃ?」


 機械を受け取った瑛士が険しい顔で見つめていると、不思議そうな顔をしたルリが声をかけてきた。


「ああ、ちょっと引っかかることがある……ルリ、これは()()()()()()んだ?」

「うーん……たしか六階層の入り口あたりだったかのう? やたらルナが大騒ぎするから何かあると思って持ってきたのじゃ」

「なるほどな……」


 手に持った機械から視線を外してルナを見ると、誇らしげに胸を張って鳴き声を上げる。


「キュー!」

「ああ、お手柄だぞ。よく見つけてくれた」

「キュキュー!」


 珍しく瑛士に褒められ、上機嫌で鳴き声を上げるルナ。そんなやり取りを見ていた音羽が声をかけてくる。


「瑛士くん、その機械はいったい何なの?」

「え? お前は知っているだろ? ほらさっき話していた例の……」

「あー転移装置の! って、言われてみたらそんな気がしてきたわ」


 瑛士に指摘された音羽が手を叩き、納得したような表情で声を上げる。


「お前な……なんで俺より詳しいはずの人間が知らないんだよ……」


 話を聞いた瑛士が大きく肩を落としてため息を吐き、項垂れる。すると、笑顔を浮かべた音羽が肩を叩きながら話しかける。


「あはは! よく見えなかったから仕方ないでしょ。男の子がそんな小さなことでくよくよしないの」

「全然小さなことじゃないんだが……」


 笑いながら肩を叩く音羽に対し、頭を抱えてしゃがみ込む瑛士。そんな様子を見て、呆気に取られていたルリが何かを思い出したように問いかける。


「音羽お姉ちゃん、さっき話していたなんちゃら装置とはいったい何のことじゃ?」

「ああ、ルリちゃんにはまだ話していなかったわね」


 落ち込む瑛士を無視してルリに向き直ると、説明を始める音羽。飯島が以前から読書魔法を使った転移装置を開発していた事、迷宮の出入りに使っていた可能性がある事、そしてその装置が実用段階にまで完成している事**、迷宮内に罠として設置されている可能性があることを矢継ぎ早に**説明する。


「そ、そんなことが可能なのじゃろうか……」


 説明を聞いたルリは目を見開いて驚き、その場に固まってしまう。


「まあ、可能であるという推測の域は出ないわね。私も実物を見たわけじゃないし、本当に使える代物かわからないから」


 話を聞いていたルリが急に難しい顔になり、腕を組みながら呟く。


「うむ……仮に使えたとしても全てをコントロールするのは()()()じゃろうし……」

「え? コントロールできないってどういうこと?」


 返答を聞いた音羽が驚いた顔で聞き返すと、ルリが言いにくそうに口を開く。


「まだご主人にも音羽お姉ちゃんにも話しておらんかったのじゃが……迷宮は階層が上がるごとにどんどん魔力が上がるのじゃ。一定以上の魔力を持たない普通の人間には耐えられなくなるほどに」

「は? どういうこと?」


 衝撃の発言を聞き、音羽が間髪入れずに声を上げる。


「断片的な記憶しか残っておらんからハッキリとは言えないのじゃが……」


 苦虫を噛みつぶしたような顔でルリが右手を掲げると、空中に古びた魔導書が出現する。


「あ、それって……」

「うむ、わらわの本体でもある神々の(ソロモン・)魔導書(グリモワール)じゃ……ページを抜きとられてしまってスカスカじゃがな」


 右手の上に浮かぶ本を眺め、寂しそうな表情を浮かべるルリ。そして短く何かをつぶやくと、ひとりでにページをめくり始める。


「たしか……あったのじゃ」


 ルリが呟くとあるページで止まり、そのまま大量の文字がルリの体に流れ込み始める。


「うむ、やはりページが足りぬから断片的になるが……選ばれし人物以外は最下層に近づくことはできないと書いてある。そして、ある条件を満たさねば転移魔法の類は阻害されることになるそうじゃ」


 流れ込んだ情報をルリが話していると、音羽が話を遮るように問いかける。


「ある条件? それはいったい……」

「残念ながら情報が途絶えておる……もっと欠片を集めれば何かわかるかもしれんが……」


 目を瞑り、顔を左右に振って答えるルリ。その様子を見た音羽は、彼女の肩に優しく手を置いて話しかける。


「ルリちゃん、ありがとう。その情報がわかったことが大収穫よ」

「そう言ってもらえると嬉しいのじゃ。でも……」

「いいのよ。ルリちゃんの欠片を集めれば、飯島女史の目論見を阻止できるんだしね。でも、あの二人はどうやって出入りをコントロールしていたのかしら?」


 話を聞いていた音羽が呟くと、眉間にしわを寄せたルリが声を上げる。


「うーむ、考えられるとしたら低階層だからできたのじゃなかろうか? まだ機械制御がうまくいく範囲だったからと考えるのが妥当じゃろうな」

「言われてみればそうね……飯島女史が最深部のほうまで把握しているはずはないし」


 顎に手を当てて考え込むように音羽が声を上げると、同意したルリの口から爆弾発言が飛び出した。


「うむ、それは間違いないと思うのじゃ。それに……その機械を拾った場所に何かを動かした形跡が残っておったしのう」

「は? ルリちゃん、それは本当なの?」


 言葉を聞いた音羽がルリの両肩を掴み、鼻と鼻が当たる位置まで顔を近づけて迫る。


「お、音羽お姉ちゃん! 落ち着くのじゃ!」

「落ち着いてなんていられないわよ! 何かを動かした形跡って本当なの?」

「ほ、本当じゃ! ちゃんと案内するから落ち着いてほしいのじゃ!」


 興奮を抑えきれずどんどん迫る音羽に、ビビり散らすルリ。

 六階層の入り口で何が起こっていたのであろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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