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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十三章 明らかになる迷宮出現の裏側

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第7話 翠の笑顔と謎の機械

 瑛士と音羽が目を丸くして固まっていると、足元から聞き覚えのある鳴き声が聞こえてくる。


「ニャ―」


 二人が慌てて視線を動かすと、地面に四つ足を付けて不思議そうな顔で見上げている翠の姿があった。


「へ? なんで翠がこんなところにいるんだ?」

「あれ? ルリちゃんたちと一緒に行動していたんじゃないの?」


 目を大きく見開いた瑛士と音羽が次々と問いかけるが、不思議そうに顔を傾げている翠。


「ニャー?」

「いや、どうしたのって言われてもな……お前は今までどこにいたんだ?」

「ニャー、ニャニャニャ」

「ルナさん達と一緒に行こうと思ったんだけど、こっちの方が()()()()だから戻ってきたって……」


 翠の返答を聞いた瑛士は、額に手を当てて項垂れる。その様子を見ていた音羽が、顎に手を当てて考え込む。


(面白そうだから戻ってきたって……どこにも翠ちゃんの気配なんて感じなかったわよ? それに、銀牙狼たちがいくら大人しかったとはいえ、エリアボスだし……侵入者が来れば絶対見逃すはずがないわ)


 音羽が視線を向けた先にいたのは、屍となって積みあがっている銀牙狼たちだった。翠が言うようにこっそりフロアに戻ったとしても、警戒心が高いモンスターが気付かないわけがない。


(たとえ侵入できたとしても、奴らがなんで屍になって積みあがっているのかわからないわ……)


 音羽が難しい顔をして考え込んでいると、足首の辺りにふわふわとした感触が伝わってくる。


(あれ? なんだろこの感触? すごくふわふわして……)

「ニャー? ニャニャニャ―」

「なんか聞き覚えのある鳴き声が……って、翠ちゃん!」


 鳴き声を聞いた音羽が驚きの声を上げると、花が開いたような笑顔を向ける翠。そして、前足を必死に伸ばして何かを訴えかけてきた。


「もしかして抱っこしてほしいのかな?」

「ニャー!」


 音羽が聞き返すと翠が嬉しそうに鳴き声を上げる。その姿を見て膝をついて手を伸ばすと、彼女の胸に飛び込む。そして、ご機嫌になったのか喉を鳴らして顔を擦りつける。


「ふふふ、ホント可愛いわね。どこかの誰かさんと違って素直だし」


 笑顔を浮かべた音羽が翠を撫でながら、棘のある言葉を呟く。


「あ? なんか聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするが?」


 言葉を聞いた瑛士が苛立ったように問いかけると、不敵な笑みを浮かべた音羽が口を開く。


「えー? 誰も瑛士くんとは一言も言っていないけど、どうしたのかな?」

「あ? 白々しいとぼけ方だな?」

「何を言っているのかさーっぱりわからないわ。たまたま瑛士くんのほうを見ただけなのに。自意識過剰じゃない?」

「お前に言われたくねーよ! だいたい……」


 怪しげな笑みを浮かべた音羽の煽りを受け、瑛士の怒りが頂点に達した時だった。突然、フロア全体に怒鳴り声が響く。


「いい加減にせんか! ちょっと目を離すとまたケンカをしようとしておるとは何事じゃ!」


 驚いた瑛士と音羽が声のした方向を見ると、腕を組んで二人を睨みつけるルリの姿があった。


「げっ……なんで戻ってきたんだよ……」

「そんなことくらい考えればわかるじゃろ? わらわは六階層の入口で二人をずーっと待っていたのじゃが、いつまでたっても来ないから迎えに来たのじゃ!」

「ああ、そうだったのか。それは悪かったな」

「まったく……だいたいわらわを差し置いてエリアボスを倒すとはどうなっておるのじゃ! せっかくの撮れ高が台無しなのじゃ!」

「いや、それは俺たちがやったわけじゃ……」


 言葉をぶつけられた瑛士が返答に詰まってしまうが、ルリの怒りは止まることはない。


「だいたいあれだけ大人しくしていたモンスターを倒すとは……せっかくわらわの()()になったと称して、配信をしようと思っておったのに!」

「いや……いくら何でもそれは無理があるだろうが……」

「何を言っておるのじゃ? カリスマ配信者のわらわに不可能などないのじゃ!」


 胸を張って言い切るルリを見て、瑛士が額に手を当てると大きなため息を吐きながら呟く。


「どこから来るんだよ、その自信は……」


 呆れ果てて項垂れる瑛士の隣で、翠を抱いた音羽が目を輝かせながら話しかける。


「さすがルリちゃんね! モンスターを従えるところまで考えて行動していたなんて……」

「ふふふ、音羽お姉ちゃんはわかってくれるのじゃな!」


 賞賛の声を聞いたルリは上機嫌になると、大きく頷きながら満足げな表情になる。すると、その姿を見た瑛士が音羽に小声で話しかける。


「おい、音羽……調子に乗らせてどうするんだよ」

「瑛士くんは黙っていて。あのまま怒らせるよりも、ご機嫌を取った方が早く終わるでしょ?」

「それはそうなんだが……あんまり持ち上げると後がめんどくさいだろうが」

「へそを曲げられるよりはマシでしょ? いい加減学習しなさいよ」

「う……」


 音羽に痛いところを突かれ、何も言えなくなる瑛士。すると、二人の様子に気が付いたルリが話しかけてきた。


「おや? いつの間にか仲直りもできたようじゃのう! 変な物を見つけたから、わざわざ引き返した甲斐があったということじゃのう」


 上機嫌で話すルリの言葉にひっかかりを覚え、瑛士が思わず聞き返す。


「ん? 変な物?」

「そうじゃ。六階層の入り口まで行ったのじゃが、変な機械が落ちておったのじゃ。触るのもなんか嫌じゃったからそのままにしてあるがのう」


 顔を傾げながら話すルリに対し、目を細めて怪訝な表情になる瑛士。

 彼女が見つけた変な機械とはいったい……

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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