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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十ニ章 想定外の事態が勃発?

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第8話 異変は四階層でも起こっている?

 ルリがため息を吐きながら見つめた先にいたのは、未だに言い争いをしておる瑛士と音羽だった。


「だーかーら、瑛士くんは普通じゃないって言っているでしょ? 昔から監視……じゃなくて見ていた幼馴染のいうことを信じられないの?」

「幼馴染だからって全部知っているわけ……って、監視って言ってなかったか?」


 音羽の言葉に引っかかりを覚えた瑛士が聞き返すと、露骨に目をそらす。音羽は慌てた様子でとんでもない暴露を始める。


「き、気のせいよ! 誰よりも瑛士くんのことを知っているんだからね! 寝言の記録とか好きなアニメの技を練習していたりとか、ヒロインにガチ恋しかけたり……」


 二度と思い出したくない黒歴史をどんどん暴露され、大慌てで口を塞ごうと試みる瑛士。しかし、そんな動きを予測していたかのように華麗に避け、口撃をやめない音羽。


「ふふふ、私を甘く見ないことね。瑛士くんの秘密はすべてまるっとお見通しなのよ!」

「……盗撮と盗聴していただけだろ……」


 自信たっぷりに胸を張って答える音羽を見て、額に手を当てて呟く瑛士。呆れてものが言えなくなったタイミングで、呆れた顔をしたルリが話しかけてくる。


「もう良いかのう……いつもの夫婦げんかはもう見飽きたんじゃが」

「え? 夫婦だなんて……ルリちゃんに認められたということは、もうアレよね」


 ルリの言葉を聞いた音羽が頬を赤らめ、両手で顔を覆い隠すと体をよじらせながら声を上げる。そんな彼女の様子を見た瑛士が、大きく息を吐きながら話しかける。


「誰が夫婦なんだよ……そもそも、音羽も変なとこだけ切り取って解釈するんじゃねーよ……」

「ご主人、諦めるのじゃ。本人には聞こえておらんぞ」


 呆れたようにルリが視線を向けると、顔を真っ赤にしながら何かを呟き続ける音羽の姿があった。その姿を見た瑛士は大きく口を開けたまま固まってしまう。


「……ダメだこりゃ」

「まあ、諦めることじゃな。さて……そんなことよりも、そろそろご主人も体が慣れてきた頃じゃなかろうか?」


 笑みを浮かべたルリが問いかけると、何かに気がついたような顔になる瑛士。


「そう言われたら……なあ、()()()()()を感じるんだが、お前たちが言っていたのはこのことか?」

「ようやくわかってくれたんじゃな」


 険しい顔で問いかける瑛士を見て、ルリが満足げな表情で答えた時だった。彼の口から思いもよらない言葉が飛び出す。


「ああ、時間は掛かったけどな……しかし、このフロアだけじゃないぞ。もっと上の階層、四階層からも流れ込んできている。ものすごく嫌な予感がする」


 突如険しい顔で話し始める瑛士の変化に驚いたルリが、思わず声を上げる。


「は? ご主人、それは本当か?」


 信じられないと言った表情で聞き返すルリ。しかし、瑛士は彼女の様子を気にかけることなく、淡々と話を続ける。


「ああ。感覚が戻ったばかりで過敏に反応しているのかも知れないが、明らかに出口から妙な魔力が流れてきているんだ。どこかで感じたことがあるような気もするが……一刻も早く次の階層に向かったほうがいいのかも知れない」

「う、うむ……それは一理あるのじゃ」


 思いもよらない言葉を聞いて、瑛士を見つめたままその場に立ち尽くすルリ。


(次の階層まで感じ取れるとはどういうことなんじゃ? ()()()なのは間違いないのじゃが……)

「ん? ルリどうしたんだ? 俺の顔になにかついているか?」

「あ、いや、なんでもないのじゃ」


 視線に気がついた瑛士が問いかけると、慌てて身振り手振りを交えてごまかすルリ。そんな彼女の様子を見て、怪訝そうな表情でさらに話しかけようとした時だった。


「瑛士くん、ルリちゃん、どうしたの? なんか難しそうな顔をしているけど」

「音羽お姉ちゃん! 助かったのじゃ!」


 不思議そうな顔をして二人に問いかける音羽が近づいてきた。その姿を見て、目に涙を浮かべて駆け寄っていくルリ。


「え、ル、ルリちゃん? どうしたの?」


 いきなり飛びついてきたルリに驚いて、困惑する音羽。そんな彼女のことなどお構いなしに、ルリは話し始める。


「どうもこうもないのじゃ。わらわは……もう考えがまとまらなくて……どうして良いのか」

「一体何があったの? ちゃんと説明してくれないと……」

「説明しようにもどう話していいのかわからないのじゃ!」

「ええ……」


 まったく話が通じないルリに困惑していると、呆れたような顔をした瑛士が話しかけてくる。


「さっきからルリの様子がおかしいんだよな。なんか変なもんでも食べたのかもしれん」

「いや、何も食べてないでしょ……それよりも瑛士くん、だいぶ顔色が良くなってない?」

「ああ、感覚が戻ってきたからな。それよりも、早く四階層に向かったほうがいいかもしれん……すごく嫌な予感がするんだ」


 笑顔で話していた瑛士が急に険しい顔になり、何かを感じ取った音羽が目を細めながら呟く。


「へぇ、そこまで分かるんだ……」

「ん? なにか言ったか?」

「なんでもないわ。それじゃあ早く向かいましょうか、四階層に」


 不思議そうな顔をする瑛士を無視し、抱きついていたルリの頭を優しく撫でる音羽。


「ルリちゃん。混乱しているところ申し訳ないけど、四階層に向かいましょうか」

「わかったのじゃ。わらわも確認したいことがあるのじゃ」


 顔を上げたルリが力強く頷いたのを見て、笑顔を浮かべる音羽。そして、そのまま鋭い視線を出口の方へ向ける。


(明らかに何かおかしなことが起きている……姿の見えない翠ちゃんが無事ならいいんだけど……)


 未だ影も形も見えない翠を心配する音羽。

 この時、彼女たちはまだ知らなかった、一連の出来事が翠と深く関係していることを……

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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