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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十ニ章 想定外の事態が勃発?

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第3話 素直なルナは誤魔化せませんでした

 三人の視線が一斉に向けられるが、ルナ本人は明後日の方向を向いたまま鳴き声を上げる。


「キュー?」


 一切目を合わせずに顔を背けていると、今まで聞いたことの無いような低い声でルリが問いかける。


「ルナ、わらわは何も言っておらんのじゃが……何か知っておるのじゃろ?」

「キュー、キュキュキュー!」

「ふむ……『何のことかさっぱりわからない、翠がどこにいるかなんて知らないんだもん』と言いたいのじゃな」

「キュー、キュキュ」


 ルリの言葉を聞いて顔を上下に激しく動かして頷くルナ。その姿を見た音羽が何かを手に持って、わざとらしく声を上げる。


「あれー? こんなところにおやつ用の()()()()がいっぱい出てきちゃったな。しかもウサギ用の」

「キュー? キューキュキュキュ」


 チュールという言葉を聞き、勢いよく振り返るルナ。視線の先には右手に大量のチュールを持ち、笑みを浮かべていた。


「あーせっかくたくさんのおやつがあるんだけど……誰もいらないわよね」

「キュー! キュキュキュー!」

「そうよね~私が持っていてもしょうがないし、ホーンラビットたちにあげてもいいかしら?」


 二階層の出口を向いた音羽がわざとらしく声を上げると、ルナが勢いよく彼女の前に飛び出して鳴き声を上げる。


「キュー! キュキュ!」

「あら? ルナちゃんどうしたのかしら?」

「キュー、キュキュキュー!」

「なになに? それは自分のおやつだから役に立たないモンスターにあげないでほしいって?」

「キュー!」


 後ろ足を地面に打ち付けながら猛抗議するルナを見て、口角が吊り上がる音羽。


(ふふふ、引っ掛かってくれたわ。どこまで耐えられるのか見せてもらおうかしら)


 怪しげな笑みを浮かべると、両膝を突いてルナと視線を合わせて語り掛ける音羽。


「ルナちゃんの大好物の一つだもんね?」

「キュー!」

「うんうん、ホーンラビットなんかと比較したら失礼だもんね、ルナちゃんみたいなカッコよくてキュートなうさぎさんと」

「キュー! キューキュキュキュ!」


 音羽の言葉を聞いて誇らしげに胸を張り、声を上げるルナ。そんなやり取りを見ていた瑛士が思わず本音を漏らす。


「キュートでカッコイイね……コイツのどこにそんな要素が……グフッ」


 顎に手を当てながら言葉を発した瞬間、一筋の光が瑛士のみぞおちに向かって突き刺さる。彼は最後まで言い終える間もなく、白目をむいて後ろに倒れてしまう。その直後ルナが小さく息を吐くと、怒りに満ちた咆哮を上げる。


「ギュー!」

「瑛士くん、いい加減に学習しなさいよ……ルナちゃんが()()()()()()()()()()ことくらいわかっているでしょ?」

「……」


 白目をむいて微動だにしない瑛士に向け、呆れた顔で語りかける音羽。しかし、彼から返事が返ってくることはなかった。


「ギューギュギュギュ!」


 未だ怒りの収まらないルナが後ろ足を床に叩きつけながら、抗議の鳴き声を上げる。そして、その勢いのまま瑛士に向かって跳びかかろうとした時、後ろから音羽が声をかける。


「ルナちゃん。そんな死体蹴りみたいなことはせずに、こちらに来てチュールでも食べない?」

「キュー!」


 全身の毛を逆立てて怒りを露わにしていたルナだが、チュールを差し出されて一気に機嫌がよくなる。そして、音羽の元へ勢いよく駆け出して、夢中で一本目のおやつを食べていた時だった。突然後ろから体を抑え込まれ、身動きが取れなくなる。


「キュー、キュキュキュー!」

「ふふふ、ようやく捕まえたのじゃ……さて、おやつも食べた事じゃし、ちゃんと質問に答えてもらうのじゃ!」

「キューキュキュキュ、キューキュ!」


 必死に身を捩りながら逃げ出そうとするルナだったが、ルリに背後から抱き上げられてしまう。


「さて、知っていることを洗いざらい吐いてもらおうかのう? 正直に答えてくれたら好きなだけチュールをあげても良いのじゃが……どうするのじゃ?」

「キュ……」


 ルリの言葉を聞いて苦悶の表情を浮かべるルナ。顔を上下左右に動かして悩んでいると、急に観念したように項垂れて鳴き声を上げる。


「キュー、キュキュキュ」

「うむうむ、ようやく観念したのじゃな。では、翠はどこに行ったのか教えてもらおうじゃないかのう」


 勝ち誇った顔になったルリが腕の中にいるルナに問いかける。すると顔を上げて声を上げる。


「キュー、キュキューキュ」

「ふむふむ。二階層で一緒に遊んでおったが、少し冒険してくると言って急にいなくなったと」


 ルリの言葉を聞いて大きく頷いて答えるルナ。そしてそのまま鳴き声を上げて話を続ける。


「キュー。キュキュキュ、キュー」

「勝手な行動をするなと止めようとしたのじゃが、ものすごいスピードでいなくなってしまったと。そうこうしているうちにご主人たちが来て、とりあえず合流することを選んだのじゃな」

「キュー」


 ルリの腕の中で大きく頷くルナを見て、話を聞いていた音羽が口を開く。


「なんとなく話は理解したわ。まあ、翠ちゃんも子猫だし……いろんなことに興味を持つ年頃だもんね。でもいったいどこに行ったのかしら? 二階層にはいる気配がしなかったけれど……」


 音羽が疑問を口にした時だった。地響きに似た揺れと爆発音のような音が通路内に響き渡る。

「な、なに? 今の爆発音?」


「な、何が起こったのじゃ? 三階層のほうから聞こえたのじゃ! まさか、翠が巻き込まれてしまったのではなかろうか?」

「うそ……は、早く助けに向かわないと!」


 ルリと音羽の脳裏に最悪の事態がよぎり、一気に血の気が引いていく。

 はたして、謎の爆発音は翠に何か関係しているのだろうか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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