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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
幕間㉑

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閑話㉑-1 怪しげな清掃業者

 瑛士たちが迷宮の入口で手続きをしていた頃、紀元は爆発のあった現場で警察や消防などの対応にあたっていた。


「従業員に確認させたところ、関係者専用エリア内になるので観光客などが巻き込まれた人はいないとのことです」

「そうですか。詳しい原因等は調査中ですが、人為的に爆発が起こったとは考えにくい状況です。今のところ誰かが巻き込まれたという証拠も見つかっておりません」

「わかりました。お手数をおかけしますが、引き続きよろしくお願いします」


 報告を終えた警察官は現場検証などが行われている場所へ戻っていく。その様子を頭を下げて見送ると、小さく息を吐いて天を仰ぐように顔を上げる紀元。


(ふぅ……誰の仕業かわからんが、うまい具合に防犯カメラが壊れていてくれて助かった)


 視線を迷宮へ向けると、忙しく調査をする人が出入りしている。その様子を見ていた紀元の口から、思わず本音がこぼれる。


「ご苦労なことだが、調べても何も出ないと思うぞ……部屋の構造からしてあんな隠し部屋を作ろうと考えるのは、博士しかいないからな。どうせ下手に証拠を残すようなヘマはしない……はず、たぶん」


 腕を組みながら大きなため息を吐くと、後ろから声をかけられる。


「本部長、お疲れ様です。ここから先は自分が代わりに対応するので、一息ついてきてください」

「ああ、お疲れ。代わってもらっていいのか? お前も開店準備でほとんど休めていないだろ?」


 声をかけてきたのは部下の一人であり、迷宮の観光エリアを統括している男性社員だった。


「本部長こそずっと仕事しているじゃないですか……本来であれば、今日から連休を取られる予定だったのに……自分が最終チェックをお願いしたばかりに、本当にすみません」


 深々と頭を下げて謝罪する男性を見て、紀元は小さく息を吐くと肩に手をおいて優しく語りかける。


「何を言ってるんだ? 部下が困っているのに休んでいられないだろ? それに今回の事業は会社にとっても一大イベントだ。どうせ休んだところでやることもないし、現場の様子が気になって仕方がなかったんだ。逆に声をかけてくれてありがとうとお礼を言うべきだ」

「本部長……」


 言葉を聞いた男性が顔を上げると、目に涙を浮かべていた。その様子を見た紀元は、苦笑いを浮かべながら話しかける。


「おいおい、泣くようなことじゃないだろ。まあ、いろいろあったが……初日としては大成功みたいだし、結果オーライだな」

「そうですね。入場規制をしないといけないくらいとは予想外でしたが……」

「そういうことだ。ところで、お前に聞きたいことがあるんだが……金髪でツインテールをした小学生くらいの女の子と高校生くらいの男の子とゴスロリ風の服を着た少女の三人組を見てないか?」

「うーん、そんな組み合わせの子は見てないですね」


 質問を聞いた男性は腕を組むと顔を傾げながら答える。その様子を見た紀元はある違和感を覚える。


(妙だな……コイツが迷宮の受付からここに来る間に、すれ違っていないとおかしいのだが……最後に見た防犯カメラの映像にはたしかに受付の方へ歩いていく三人が映っていたんだが……)


 腕を組んで紀元が考え込んでいると、突然男性が何かを思い出したように手を叩いて声を上げる。


「あ! そう言えばここに来る途中に掃除道具を持った業者さんとすれ違いましたね。なんでも今日から勤務開始だそうで、従業員用の入口がわからないって言ってました」

「は? ()()()()と?」


 男性の話を聞いた紀元が、目を見開いて聞き返す。


「ええ。帽子を深く被っていて顔を見ることはできなかったのですが、社員証も持っていたので間違いないかと思います。でも珍しいですよね、会社に来る清掃員さんは、わりと年齢が上の人が多かったですし」

「ちょっと待て……そんな若い人間が出入りするとは聞いてないぞ……」

「え? そうなんですか? もしかしたら新入社員の方かもですね……って本部長、どこに行くんですか?」


 話している途中で血相を変え、どこかへ走り出す紀元。男性が必死に呼び止めようと声を上げるが、彼に届くことはなかった。


「やられた……どんな手段を使ったのか知らないが、完璧に裏をかかれた……」


 脳裏に浮かぶのは、ある一人の少女だった。ゴスロリ風の服を着て狐のお面を付けた()()()()()()()であり、一番信頼を置いていた部下を闇に葬った疑いのある人物。


「頼む、間に合ってくれ……何としてでもこの手で捕まえねば」


 息を切らしながら全力で従業員通用口を目指す紀元。

 はたして部下が遭遇した人物は、彼の考える少女が変装した姿なのか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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