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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第二十一章 再度迷宮攻略へ

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第4話 攻略情報は罠?

 タブレットを見つめたまま大笑いするルリを見て、睨み合っていた瑛士と音羽が不思議そうな顔で近づいてきた。


「ルリ、そんな大笑いしてどうしたんだ?」

「そうよ。ルリちゃん……もしかして壊れちゃったとか?」

「誰が壊れたのじゃ! それよりも、これを見てみるのじゃ」


 言葉を聞いてあきれたルリが、二人に向かってタブレットを突き出す。そのまま画面をのぞき込んだ二人が、揃って眉間にしわを寄せる。


「なあ、この運営ってバカなのか?」

「そうみたいね……って言うか、そうとしか思えないでしょ」


 画面を睨みつけながら囁く二人を見て、ルリが笑いながら声をかける。


「ははは! わらわが思った通りの反応で安心したのじゃ」

「いや、笑い事じゃないだろ……なんでわざわざ()()()()()()()()をメールしてくるんだよ!」


 タブレットを指さしながら瑛士が声を上げる。彼の言う通り、映し出されていたメールには事細かく罠の設置場所が書かれていたのだ。何階層の西側に罠があり、回避ルートは東側を通るとか、モンスターを凶悪化させる装置の起動方法。そして、各エリアボスの弱点と対処法など、迷宮攻略者にしてみれば、喉から手が出るほど欲しい情報が事細かに書かれていた。


「ははは! 迷宮運営もずいぶん親切なことをしてくれるもんじゃのう!」

「笑い事じゃねーだろ! どう考えても誤爆メールだろ!」


 大笑いするルリを見て、瑛士が大声で叫ぶ。すると、顎に手を当ててしかめっ面をしていた音羽が、静かに声を上げる。


「うーん、でもこれは誤爆メールじゃなさそうよ。だって『配信者としてご活躍のルリ様へ』って書いてあるし」


 音羽が指を差したメールの冒頭には、明らかにルリに宛てたように書かれていた。それを見た瑛士は肩を落とし、呆れたように話しかける。


「はぁ? そんなわけ……あったわ……運営というか担当者大丈夫か? こんなお宝情報をバラまくなんて首を飛ばされても知らねーぞ……」

「普通に考えれば致命的なのよね。だけど、運営会社のトップは飯島女史だから……何か裏があるとしか思えないのよ」

「た、たしかに……」

 音羽の話を聞くと、眉間にしわを寄せて腕を組みながら黙り込む瑛士。すると、二人の様子を見ていたルリが声を上げる。


「何を二人とも難しいことを考えておるのじゃ? 貰えるものは貰っておけばよいのじゃ! ほれ、よく言うではないか、敵に砂糖を送ると!」

「……お前な、それを言うなら『敵に塩を送る』だろうが……」


 言葉を聞いた瑛士が大きなため息を吐くと呆れたように呟く。すると、顔を真っ赤にしたルリが大声で反論する!


「そ、それくらいわらわでも知っておるのじゃ! 砂糖だろうが塩だろうがどっちでも良いのじゃ! 細かいことを気にするのではない!」

「いや、事実として俺は伝えただけだが?」

「ムキ―! わらわは塩よりも砂糖を貰った方が嬉しいから、砂糖でいいのじゃ!」

「そういう問題じゃないんだが……」


 ヒステリックに叫びながら顔を背けるルリに対し、額に手を当てて苦笑いを浮かべる瑛士。すると、小さく息を吐いた音羽が二人の間に割って入る。


「はいはい、瑛士くんも細かいことをいちいち指摘しないの」

「何が細かいんだよ……俺は事実を伝えたまでだぞ」

「ほんと大人げないんだから……昔は塩かもしれないけど、この先は何が起こるかわからないでしょ? 今や砂糖は生活必需品なんだし」

「それはそうだが……」

 しぶしぶ納得したような表情をする瑛士を無視し、今度は目に涙を浮かべてそっぽを向いているルリに話しかける。


「ルリちゃんは何でも知っているんだもんね?」

「そうじゃ! 場を和ませようとわざと間違えただけなのじゃ!」

「うんうん、とっても大事なことだとは思うわ。それに、今の発言が後に名言になるかもしれないもんね」

「なぬ? わらわの発言が名言として残るじゃと?」


 顔を背けたまま話を聞いていたルリが、名言として残ると聞いて目を見開いて喰い付く。


「そうよ。ルリちゃんはカリスマ配信者として、絶大な人気を持っているんでしょ? ということは、数々の名言を生み出しているかもしれないわ」

「そ、そうなのかのう? わらわには全然わからんのじゃが」

「名言って自分ではわからないものだからね。リスナーや視聴者さんが見つけていると思うわ」

「な、なるほど! ふふふ、わらわが歴史に名を刻む日が来ておったのじゃな」


 先ほどまで不貞腐れていた態度とは打って変わり、上機嫌で大きく頷くルリ。彼女の変貌ぶりを見た瑛士が、音羽に近づくと耳元で囁いた。


「なあ、ルリの場合は名言じゃなくて迷言じゃないのか?」

「さあ、どうでしょうね? でも時間が経つにつれて変わる事なんて山ほどあるから」

「そういうもんなのか……」


 話を聞いて無理やり納得しようとした瑛士だが、音羽の次の一言で現実に引き戻される。


「……それよりも、あのメールを見てどう思う?」

「どうって……怪しさしかないだろ。ルリは気が付いてないが、ある階層だけ情報が抜けているというか……あからさますぎないか?」

「やっぱり瑛士くんも気が付いていたのね。まあ、真実はわからないけど……ヤツの思惑に乗ってあげるのも面白いかもしれないわ」


 ご機嫌で笑い続けるルリの持つタブレットに鋭い視線を送る二人。

 瑛士と音羽が言う怪しい情報とは――いったい何を意味しているのか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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