第16話 異世界に転生した俺、勇者になる(ESTP / 起業家 ver)
佐藤悠、二十八歳。
元・ベンチャー企業の型破りな営業マン。危険な賭けほど燃える、筋金入りのアクション&スリル中毒者だった。
トラックが迫ってきた時すら「お、ギリギリで避けるか?」とニヤついたレベルだ。
白い空間で女神から「魔王を討伐してほしい」と聞かされた時も、俺のテンションは最高潮に達していた。
「魔王討伐? 最高にでかい案件じゃねえか! ルールなんて知らん、俺のやり方で最短でブッ壊してやるよ!」
「えっ……あ、ハイ! 勇者様、暴れすぎないでくださいね!?」
チート能力? 考えるより体で覚える派だ。
俺は光の加速とともに、最高にエキサイティングな異世界へと躍り出た。
森で突進してきた巨大な狼。
「いいねえ、挨拶代わりのスリルじゃん!」
俺は避けるどころか正面から突撃し、チート能力の『超反応』と『身体強化』で狼の角を素手で掴み、そのまま一本背負いで地面に叩きつけた。
ドガァァン!
「ガハッ……!?」と目を白黒させる狼の首根っこを祀り上げ、俺はニヤリと笑う。
「おう、筋はいいぞポチ。俺の足になれ!」
ペンダントを門番に見せて「勇者様のお通りだ!」と大声をあげさせ、そのまま馬車を奪う勢いで爆走。そのまま王城の玉座の間へ殴り込んだ。
「よう国王! 魔王の首を取ればいいんだろ? チャッチャと終わらせて美味い酒でも飲もうぜ!」
開いた口が塞がらない国王たちの横で、呆然とする金髪の王女エレナ。
俺は彼女の腰をグイッと引き寄せ、ニッと歯を見せて笑った。
「可愛い姫様じゃん。俺が魔王の首をあげたら、ご褒美に特等席で俺の勝利のダンスを見てくれよな!」
「えっ、あ、はい……!? 悠様、距離が近いです……ッ!」
剣士レオン、忍者ミア、魔法使いリリアも「な、なんて破天荒な奴だ……でもついて行きたくなる!」と一瞬で俺のペースに巻き込まれた。
俺たちの旅は、止まったら死ぬと言わんばかりの「超高速ダイナミック・ロードムービー」だった。
「悠! 隣の村が魔物に襲われてる!」
「遠回り? 関係ねえ、崖を跳び越えて直撃するぞ! 全員俺に掴まれ!」
「キャァァァァッ!?」
正面突破、急襲、アドリブ満載の奇策。俺の圧倒的な戦闘センスと反射神経が、どんな不測の事態も最高のエンターテインメントに変えていく。
野営の夜。俺が豪快に魔獣の肉を丸焼きにしていると、胸を躍らせたエレナが隣にやってきた。
「悠様といると、毎日心臓が跳ね上がって……でも、すごく生きてる実感がします」
「だろ? 人生楽しんだもん勝ちだ! エレナ、魔王倒したら世界中のスリル満点なスポットに連れてってやるよ!」
「ふふ、覚悟しておきますね。……悠様となら、どこへ飛び込んでも怖くありません」
エレナは俺の腕にギュッと抱きつき、チャレンジングな笑顔を見せた。
魔王城、玉座の間。
「よく来たな、勇者よ――」
「挨拶はナシだ! ノリで行くぞオラァッ!」
魔王が構える間もなく、俺はチート能力を全開にして空間を蹴り、弾丸のような速度で肉弾戦を仕掛けた。
「な……速い!? 貴様、魔術も使わず突っ込んでくるか!?」
「考える前に動く! それが俺の流儀だ!」
魔王の腕がレオンを薙ぎ払う。
「レオン、しゃがめ!」
レオンが身を伏せた瞬間、悠がその背中を踏み台にして跳ぶ。
「リリア、今だ!」
「任せて!」
放たれた魔法が魔王の視界を奪う。
「ミア、後ろ!」
「了解!」
一瞬の判断で、四人の攻撃が一本の流れになった。
レオンたちの連携を即興で組み込み、魔王の攻撃を間一髪でかわしながら、至近距離から超高威力のチート打撃を叩き込み続ける。
「これで……チェックメイトだぁぁぁッ!!」
「グアアアアッ!? 馬鹿な……我が格闘戦で圧倒されるだとぉぉぉ!?」
魔王は俺の怒涛のラッシュの前に、一歩も引くことを許されず粉砕された。
圧倒的なスピーディー攻略。アドレナリン全開の完全勝利だ。
それから一年。
平和になった世界で、俺は冒険者ギルドの最高顧問兼、世界中の未開地を荒らし回るトップ冒険者になっていた。
王城の庭園。
「悠!」
風を切って駆け寄ってきたのは、ドレスを脱ぎ捨て、アクティブな冒険服に身を包んだエレナだ。
「私……悠様が好きです!」
彼女は俺の胸に飛び込み、弾けるような笑顔で叫んだ。
「世界を救った勇者だからじゃない! 私に最高のワクワクと、命が燃えるような瞬間をくれた……佐藤悠という最高にカッコいい男の人が大好きです!」
俺は大笑いしながらエレナを抱きしめた。
「最高だぜ、エレナ!」
そのまま勢いよく唇を奪った。
「俺の人生最大のスリルは、君を一生愛することに決めたことだろうな!」
「ん……ふふっ、望むところです!」
こうして俺は――。
圧倒的な行動力とスリルを楽しむ野性で突き進み。
超高速のレスポンスと肉弾戦で魔王をブッ叩き。
そして――世界で一番度胸のある、最愛の相棒を手に入れた。
ESTP(起業家)
・特徴:アクション派、スリル狂、即断即決
・活躍スタイル:危険な賭けを楽しむ野生のカン。超ハイペースな肉弾戦とアドリブで魔王をブッ叩く。




