↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェルネスの受難――皇女さまはあきらめない――孤独な抵抗  作者: 鶴見 日向子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/22

帰国

髪の毛を切るために帰国を決意・・・(笑)

フェルネス、ひげと髪のために、とんでもない「拾い物」をしてしまいます

「侍従たちはさっさと逃げて行ったし、昨夜の話を聞く限り、ご実家もあまりよいところではなさそうだな。

何なら、就職先を紹介してやる。

髭は剃れたが、髪は次の行き先で切ってもらうことにした。ついてくるか?」


エリザベスは、まだ真っ青な顔をしていた。


「大丈夫か?」


あまりの態度の豹変に、フェルネスは目を見張る。


「近寄らないで!」


エリザベスの声が震えていた。


「髭を剃らなければよかったな。そなた、男性が苦手なのだな?」


フェルネスはようやく察した。


「私も女性が苦手だ。何もしない。安心しなさい。その気だったなら、昨夜……。しかし、何もしなかったであろう?」


フェルネスが穏やかな口調で言う。


「そ、それもそうだ」


エリザベスは少し気が抜けたようだった。


「男性が苦手なのに、なぜ私が男だとわからなかったのだ?」


フェルネスが不思議そうに尋ねる。


「本当に女性だと思った。その顔と体形、反則だ」


エリザベスが涙ぐんだ。


「髭を剃った方が『おじさん』に見える……。でも、髭がない方が似合っている」


泣き笑いのような顔で言う。


「ちょうど、なぜか風呂場に『髭剃り』があったので、使わせてもらった」


フェルネスが言う。


「あれを使ったのか。皮肉だ。僕の『護身用』だよ。夜中に着替えた時、脱衣所に置き忘れた」


「そうだったのか。勝手に使って済まなかった。なぜか、この周辺の国には髭剃りが売っていない」


フェルネスが苦笑した。


「この辺りの国の貴族の成人男性には、髪を短くしたり、髭を剃ったりする習慣がないんだ。髭は男性の象徴だから。僕も付け髭が欲しかったけど、それは許されなかった」


エリザベスが悔しそうに言う。


「そうか。納得した。民の言葉は訛りが強くて、よくわからなかったのだ」


フェルネスは苦笑した


「では、朝食を食べたら出発だ。家へ送るか? それとも、私と他国へ行くか? どちらでもよいが」


フェルネスが尋ねる。


「フェルネスの国? 僕は国境を越えることはできない」


エリザベスが唇を噛む。


「では、素直に家へ帰るか?」


「嫌だ! 帰りたくない!!」


「そなた、貴族の家の侍女はやれそうか? 侍女の制服はスカートだ。侍従は力仕事が多いから、そなたには無理だぞ」


「いいよ。侍女になる。勉強ができなかったから、家庭教師は無理だけど」


「わかった。では、一緒に国境を越えよう。その前に、少し『細工』をしてくる。その上着を脱いでくれ」


エリザベスは素直に自分の上着をフェルネスへ差し出した。


フェルネスは手から魔力を放ち、上着をぼろぼろにする。


さらに、血のような赤い色を付けた。


「では、少し待っていてくれ。戻ってきたら、すぐ旅立てるようにしておいてくれよ」


そう言って、フェルネスは部屋を出て行った。


エリザベスの唇の端が、かすかに上がった。


フェルネスは、ほどなくして戻ってきた。


そして、エリザベスの服を魔法でドレスのように見える姿へ変えた。


「えっ?」


エリザベスが驚く。


「一時的な目くらましだ。さあ、行くぞ」


フェルネスは宿の主人に礼を言い、多めのチップを渡した。


「あんなに払っていいの?」


エリザベスが不思議そうな顔をする。


「口止め料だ。私が男だとわかった上で、若い女性を同じ部屋に泊めたとなると、この国の法律では宿の主人が罰せられるらしい」


二人は馬車に乗り、街外れまで向かった。


そして昨日、飛行魔獣と共に降りた、広場のような場所へやって来る。


フェルネスが手を上げると、昨日の大型の飛行魔獣が降りてきた。


フェルネスはエリザベスを抱き上げて、その背に乗せる。


さらに固定の魔法をかけ、自分もその後ろに乗り込んだ。


「昨日みたいに、二羽で行くんじゃないんだ」


エリザベスが目を見張る。


「二羽では、国境を越えることはできない。さあ、飛ぶぞ」


「どこへ飛ぶの?」


「とりあえず、アストリア王国だ」


フェルネスが答える。


すると、なぜかエリザベスの顔が赤くなった。


「カイレスという、公爵家のご子息がいたと思うのだけど」


どこか懐かしそうに言う。


「ほう。カイレスの知り合いか。留学していた時の?」


フェルネスが尋ねる。


「えっ? カイレス様を知っているのですか?」


エリザベスの目が輝いた。


「私の甥だよ。姉上の子供だ。彼が幼い頃からよく知っている」


フェルネスが事もなげに言う。


「えっ!? フェルネス様って、カイレス様のおじ様なの!?」


エリザベスの口調が、一気に焦ったものへ変わった。


「もうすぐ国境だ。そのままじっとしておけ」


そう言うと、フェルネスは国境付近に張り巡らされたバリアへ、自分の手から発した魔力の光を当てた。


飛行魔獣が通り抜けられるだけの隙間が、バリアに開く。


そこを通過した。


飛行魔獣が通り抜けると、バリアは再び元の姿へ戻った。


なんでお前がフェルネスと飛行魔獣にいっしょに乗るんじゃあ!!

と作者の怒り爆発中


フェルネス、優しいのです。

というか、外伝2の後書きにも書いたけど「保護者気質」が抜けない

実年齢より精神年齢で判断しちゃっています・・・


追記

エリザベスは嘘つきです

>この辺りの国の貴族の成人男性には、髪を短くしたり、髭を剃ったりする習慣がないんだ


自分は髪を短くしているじゃん・・・突っ込んでくださいw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。