人質生活92日目
小雪がちらつく中、スパルタなセーラはレジナルドと共に丘を登っていた。
「レインコートを着ていても体が冷えますね」
「ならレッスンは休みにしてくれぇ~!」
「オホホ。雪が降っても乗馬は続けます」
「厳しい…」
「1年のうち、3分の1は雪の中なのですから、雪中乗馬のレッスンを避けることはできません。絶対にです」
「うぐぐ…」
「ちょっとした贈り物として、モコモコの乗馬パンツを牧場からプレゼントさせていただきます」
「えっ!?それは嬉しい…裏起毛のヤツか!?」
「そうです。保温性だけでなく、通気性にも優れたオービター牧場の商品でございますよ」
「頑張れる!雪中乗馬レッスンも頑張れる!!」
「1本履けば、必ず2本目が欲しくなる魅惑の品でございます」
本格的な冬はすぐそこだ。
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「1時間ごとに、降る雪が1.5倍になるとします」
「うん…」
「最初の1時間で雪が5ミリ積もった時、9時間後にはどれだけ積もっているでしょうか?」
ビルは両手を挙げた。
サイモンが指す。
「はいビル、答えは?」
「お手上げです」
「次、同じことをしたら尺骨を折ります」
「とう骨が太くて折りずらいからって、尺骨に逃げるのは良くないですよ」
レジナルドは考える。
「これって、さっき習った反比例か?」
「比例ですよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「サイモンって教師に向いてないよな」
「お2人は生徒に向いてないです。尺骨を差し出してください」
「そんな事言うな!俺は頑張ってるぞ!それこそ首の骨を折るぐらいにな!ワハハ!」
サイモンの手刀が首にヒットした。
平和な日々が続く。




