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じゃんけん

「面白いゲームを考えた」

モンスターカードをグー、魔法カードをチョキ、罠カードをパーとする一発勝負。

提案者は1年の松本宗紀。

この普通のじゃんけんとなんら変わらない提案だったものの

運ゲーなら勝ち目があるかもっと対戦したいと名乗り上げた者がいた。

1年の峰岸兼人。

峰岸はお世辞にも強いと言えないデュエリストだった。

まだ一度も勝ったことがなく、参加証は1枚。

彼はもうこの完全な運ゲーに賭けるしかなかった。

もし本選に行ける事ができても一回戦で敗退するかもしれない。

だが、彼は一度でもいいから勝ちたかった。

それだけだったのだ。

「お前が相手か。ルールは簡単自分のデッキからカードをランダムに5枚選択してそれを手札とする」

ここまではデュエル開始時の状態と大差ない。

「そして言ったようにモンスターはグー、魔法はチョキ、罠はパーとしてじゃんけんを行う」

やり方は簡単。

合図とともにお互いは手札からカードを1枚選択して、場に裏向きで伏せる。

次の合図でカードを表にして、勝敗を決める。

これだけである。

そして一度使用したカードはもうその勝負で使用できない。

手札は5枚。これを5回行って最終的に勝利数が多い方が勝者となる。

ないとおもうが、あいこで勝利数が同じの場合はサドンデスを行う。

ルールを把握した所でゲームスタート。

峰岸が引いたカードは


モンスターカード 牛魔人 ハイ・プリーステス デビル・フランケン

魔法カード 火の粉

罠カード はさみ撃ち


つまり、グー3枚。チョキ1枚。パー1枚。

という内訳になる。

「フフフ、バランスよく引けたかぁ?峰岸」

このゲーム、デッキから引くために必然とモンスターカード、つまりグーが多くなる。

たいていのデッキはモンスターカードばかりだからだ。

そして罠カードがもっとも少なくなる。

罠カードに実用的なのが少ないからだ。

しかし、峰岸は罠カード、パーを引いた。

これはでかい。

もっとも枚数が多いグーを確実に殺せる切り札。

これを出せば8割方勝てるだろう。

そして、もっとも勝ちづらいのがチョキ。

普通のデッキならグーばかりだ。下手すると松本の手札すべてグーの可能性だってある。

そういう意味ではチョキは出せばほぼ負けるハズレカード。

種類も大事だが、今注目すべきは手持ちの比率だ。

グーが3枚もある。

最後まで多くの選択肢を持っておきたいという意味で1枚しかないチョキやパーは序盤で使えない。

相手もそう考えているはず。

つまり、1戦目は互いにグー。

これが考えられる。

その裏をかいてパーを出すかもしれない。

初戦はグーを出すと読んでパーを出し、切り札のパーを確実に通すために。

しかしそれが失敗した時のリスクが高い。

やはりここは無難にグーか。

1戦目は互いにグーを出した。

ひとまず安堵する峰岸。

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