加藤
決勝トーナメント進出決定した選手が発表された。
3年 国枝光弘
3年 町野大知
3年 織田成道
2年 大塚信吾
1年 木内一彦
彼らは参加証を5枚集めたのだろう。
トーナメントの5枠はすでに埋まっている。残り3枠。
村野は失格になったものの、高杉と加藤はまだ生き残っていた。
自らの参加証も数に入れて良いため4連勝する事が条件だ。
高杉の参加証枚数は2枚。木村が棄権したため参加証は高杉の手に。
そして、木村が棄権したために、高杉はまだ大会参加資格を保持している事が判明した。
運営責任者の国枝の口から直接きいたのだ。
あと2連勝しなければならない。
加藤は1枚しかないので、あと3連勝。
気が乗らない高杉。いま戦いに行っても負けるだけであろうと判断した彼は村野と加藤を連れてカードショップへ行くことに。
時間軸についての言及が少ないが、今日は1999年12月17日です。
明日には東京でジャンプフェスタが開催され、プレミアムパック2が限定販売されるはずである。
学校近くにあるカードゲーム等を取り扱っている店がある。
時代のせいか最近やっとテレビゲームも取扱いはじめたが、卓上ゲームを主に取り扱っている。
そこで店長をやっている高橋秀徳45歳は恰幅は良いが髪の毛が落ち始めているものの、人柄がよく近所で人気が高い。
取扱いを始めた遊戯王についても子供の相談に乗ってくれる親父だ。
店に来た理由のひとつには影丸の助言もあった。
トーナメントクラスになるとヂェミナイ・エルフは必須。せめてメカ・ハンターを3枚必要だと言われた。
売っているかわからんが、とりあえず来てみたのだ。
店に入るとカウンターで退屈そうにしていた秀徳がいらっしゃいと言った。
それほど遊戯王に精通してるわけじゃないが、秀徳店長にデッキを診断してもらうこともできる。
足りないカードが店にあれば紹介してくれるらしい。
さっそく高杉、村野、加藤は診断してもらうことに。
まずは高杉のデッキ。
「ふぅむ、死者蘇生、サンダー・ボルトに落とし穴。魔法罠は充実しているが、モンスターの打点がやや低いのが心許ない」
今までは強力な魔法罠カードでモンスターの攻撃力の低さをカバーしていたが、トーナメントに行けば厳しいだろう。
だいたいは影丸に言われていた事と同じだった。
次は村野。
「中々堅実で良いデッキだと思うぞ。バランスが取れてる。でも守備モンスターが多いのが気になるなぁ」
そう。村野のデッキには岩石の巨兵をはじめとしたハープの精、プリヴェント・ラットや眠れる獅子が複数投入されている。
ステータスだけ見ればヂェミナイ・エルフの1900よりも高い2000なので
反射ダメージを与えつつ上級モンスターに繋げられる所に期待しているのだろうか。
「別にとくに改善する所はないけれど、下級モンスターの攻撃力を上げるくらいかな」
最後に加藤。
「!!!!」
加藤のデッキの1枚目がプレミアムパック1にしか収録されていないウルトラレアカード、コスモクイーンで驚く秀徳。
その後もデッキをめくっていくと
クレセント・ドラゴン、スカルライダー、女剣士カナン、メガソニック・アイなどの限定カードがずらり。
にしてもノーマルカードがなんと1枚もない・・・・
「なんでレアカードばかりなんだ?」
加藤に尋ねる秀徳店長。
「なんでって、光ってるカードの方が強そうだから」
そんな理由なのか・・・
ルールまともに把握しているのか?と思いたくなるくらい自由奔放なデッキ構成だが資金力はあるようだ。
親の金か?
それよりも、まずセオリー、定石を覚えさす事が先決か。
「加藤くん。店長とデュエルしよう」
店長が使用するのは接待用の初心者向けデッキ。これで少しでも加藤にルールを覚えさせよう。




