表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
81/87

81 ハート模様の猫

 =リシャン、相手は子供です=

「‥‥‥‥」

 =愛想よく対応しないと、相手は答えてはくれません=

「具体的には?」

 =笑顔です=

「‥‥‥‥」

 クロウにそう言われて、仕方なく口角を上げる。

「こんにちは、あなたは何をしているの?」

「えっと‥‥」

 リシャンの表情を見て、少しは気が緩んだのか、女の子は口を開き始めた。

「シラタキを探してるの‥‥」

「シラ‥‥タキ?」

 それが何を差しているのかさっぱり分からない。

「シラタキって何?」

「猫」

「‥‥‥‥」

 猫がシラタキ‥‥シラタキというのは、この時代の食物で、細くてクネクネしたものだと知っていた。だが、それと猫がどう関係あるのかは不明だ。

 =猫の名前の事では?=

「もちろん、分かってる」

 リシャンは女の子に近寄って、屈んで彼女の目線に合わせた。

「猫がそこにいるの?」

 覗いているのは家の軒下。確かに猫という生き物は、そういう所に隠れそうだが。

「‥‥分かんない。抱っこしてたら逃げちゃった。こっちの方にいると思うけど」

「あなたの飼ってる猫?」

「うん」

「‥‥それであなたの名前は?」

「紗菜」

「サナちゃんね。私はユズリハ」

 手を伸ばすと、サナはリシャンの手を掴んだ。引っ張るとそのまま起き上がる。

「その猫の特徴は?」

「あのね、白黒の猫でね、お腹に大きなハート模様があるの」

「それは目立つわね」

「お姉ちゃん、一緒に探してくれる?」

「もちろん」

 立ち上がったリシャンの瞳が光る。知覚拡大をしようとしたが、

 =いけませんよ、そんな事に=

 クロウが止めに入った。

 =大体、今日は休暇なのですから、この世界の日常を感じるべきです。エージェント特権を使ったら台無しじゃないですか=

「‥‥‥‥」

 言われてみれば確かにその通りで、リシャンは何も言い返せなくなった。

 しかし、一緒に探すと約束してしまった。

 今さら、やっぱりやらないとは言えなくなっている。

 どうすれば、猫という小型の生き物を発見できるのか。しかも特定の個体というのも、さらに状況を難しくしている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ