表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/78

61  家政婦は調べる

 つまりは山中の妻の涼子の不貞が原因のようだ。

「それによってあなたは全てのやる気を無くしたって事ね」

「‥‥僕は‥‥温かい家庭を築く為に今までやってきました。会社を興したのも、涼子に金銭で辛い思いをさせたくなかったからです。それが‥‥こんな事になるなんて」

「‥‥‥‥」

 もちろん涼子はAIである。開始時の初期設定で、彼と同じ幸せな家庭を作るという大目標は原則としてあるはずだ。現在のこの状況は、時間の経過から来るズレが蓄積されたからなのかもしれない。

 それにしては大きく変わりすぎてはいるが。

「調査が必要ね。そういうわけで、しばらく私はこの家にいるから、家政婦として雇われた‥‥という事でよろしく」

「お願いします」

 山中は頭を下げた。

 とりあえず事態を整理する為に、今日の所は一旦、ここから去る事にした。

 クロウ‥‥局本部と必要な幾つかの情報をもらう必要もある。

「‥‥‥‥」

 山中邸の広い敷地から出た後、リシャンはその家を振り返る。恐らく、誰もが望む理想の住居というものがアレなのだろう。リアル世界ではそもそも、個人が占有出来る面積は制限されており、無駄と思われる庭などはない。現実に戻れば、彼は全てを失うのだ。

「彼が管理局に送ってきた内容の通りですね。プログラムには異常なし。経年によるAI行動の変化は、ごく自然なものです。このまま調書を送れば、普通に認可されるでしょう。これ以上の調査は不要に思いますが=

「‥‥‥まあね」

「何か懸念でも?」

「そうね。何も問題はない。でも、私なりに調べたい事があるのよ」

「どの辺がです?」

「‥‥フフ」

 リシャンは笑っただけだった。こういう時、これ以上何を聞いても答えてはくれない事を、クロウはよく知っており、無駄な事はしない事にした。

「ねえクロウ」

「はい」

 突然声をあげたりに、カラスはハトのように首を上げた。

「幸せの種類は幾つあると思う?」

「さあ、言葉は一つですよね」

 今度はクロウがとぼけた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ