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56  私はね、あなたが嫌い

「‥‥それで?」

 剣が突き刺さっていた場所とは別の場所から声が響き、テロリストの男はハっとしてその方向に顔を向けた。

「く!」

 何処から出したのか、短剣をリシャンに投げた。

 全く動かないリシャンの胸に当たった短剣は、キン‥‥という、金属の硬質な音を響かせ、吹雪の空に消えて行った。

「他には?」

「‥‥‥‥」

 男はその場から飛んで逃げようとしたが、何処に行っても透明な壁に阻まれた。

「くそ! なんでログアウト出来ないんだ!」

「相変わらず、テロリストって下品ね」

 ドームの天幕の上を鎌を携えてゆっくりと男の方へと歩いていく。

「まあいいさ。どうせお前達、管理局は俺の居所を突き止める事なんて出来やしないんだから」

「奇遇ね。私もそう思うの」

 鎌の刃が青から赤色へと変わった。

「おい‥‥何をするつもりだ?」

「‥‥‥‥」

 刃を男の首にかけた。

「自首する! そうだ! 司法取引しよう。組織の情報を管理局に全て教える! そうすれば、お前だって‥‥」

「私はね‥‥」

「‥‥‥‥」

「あなたみたいな人を見てると‥‥虫唾が走る!」

「がはっ!」

 鎌を一気に引く。

 男の首は孤高の空へと舞い上がっていった。



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