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52 生きた証
都民ホールでのライブは大成功だった。
終わった時、私はたくさんの人に握手を求められた。
「ヒビカちゃん、お疲れ様―、次のライブ決まったの、ねえ、何処だと思う?」
「何処ですか?」
マネージャーの佐野さんは男性なのに、仕草も言葉も女っぽい。
「聞いて驚かないで頂戴! 何と首都ドーム!」
「‥‥‥‥」
都民ホールも大きかったけど、それでも収容人数、千人。それと比べて首都ドームは六万人‥‥規模が‥‥桁が違う。考えるだけで何だか頭がクラクラしてきた。
「あ、大丈夫ぅ、ヒビカちゃん? 忙しいのは分かるけど、体も大事にするのよ。今や、このプロダクションはヒビカちゃんでもってるようなものだからね」
「あはは‥‥善処します」
もう笑って誤魔化すしかない。
そして、いよいよ‥‥ドームでのライブ。
ついに来る。
夢に見た、自分の歌をたくさんの人に聞いてもらう事‥‥それが手の届く距離まで来た。
それで何かなるわけじゃないけど‥‥でも、リアルで十五歳だった私が、心の底から望んだ夢。それがあったから病院の小さな窓を塗りつぶしてこれたんだ。
絶対に‥‥絶対に成功させてみせる!
それが、私の生きた証なんだから!




