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38 理の上から
「綺麗なコね」
ヒビカのいる街、その遥か三千フィートの上空からリシャンは下界を見下ろす。まだ重力というものがあるはずの距離だが、それを完全に無視し、真横にある壁の絵画の様に腕組みして眺める。
「大規模になりますが、ヒビカの目的は、プログラム改変すればすぐに実現可能です」
「聞いてたでしょ。私は何もしない。彼女はね、この世界の理の中を自分の力で進んでいくの。おかしな事をすればテロリストに悟られるじゃない。だから成功するかどうかは彼女次第」
「‥‥‥‥」
クロウは唸った。
「ヒビカ、ムラシタ‥‥彼女はこの世界へ入る審査で落ちた人間です。それを繰り上げる程の人材なのでしょうかね」
「何れにしても想いが本物だったら、全てがうまくいく。違ってたら失敗。鍵はそれだけ。シンプルでいいじゃない」
「全く」
クロウは首を傾げる。
「フフ‥‥まあ、見させてもらうとしましょう」
孤高の世界の只中、リシャンの笑い声が響き渡る。




