表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
31/72

31  蒼い月の下で

 リシャンは廃墟となった施設を見渡しながら、そんな事を考える。

「‥‥ふふ」

 立ち止まって空を見上げて笑った。

「リシャン‥‥」

「何?」

「テロリストの確保‥‥失敗したと連絡がありました。特定された位置は直後にダミーに置き換えられてしまったそうです。以後の足取りも消去されてしまい、追跡は困難です」

「強制終了でしばらく意識は失ってるはずだけど‥‥やっぱり他にバックアップしてる奴がいるみたいね」

 残念がるでもなく、リシャンはフン‥‥と、青く光る月に向けて鼻を鳴らす。

「それによって以降の任務も修正されます。リシャンにはこのテロリスト七十一の対処にあたってもらいます」

「そう」

件のテロリスト七十一は、人の多く集まる場所を破壊し、AIを大量消去するのが常套手段だ。そうする事でこの仮想現実のバグを拡大させるのが目的で、今まで何度か実行されてしまっている。

それはリシャン以外のエージェントが担当していた件ではあったが、これ以上は世界のシステムに深刻なダメージをもたらしてしまう。このまま放置するわけにはいかなかった。

「さて、具体的にどうしようかしらね‥‥」

 偶然が重なった事で、今回は七十一を捉える絶好の機会だった。そんな幸運は続くわけがない。

 罠が必要だ。それも相手に悟られない自然な罠が。

 しばらくあごに手を当てて考えていた。

「そうね‥‥‥‥クロウ」

「はい」

「以前に、移住却下リストにあったヒビカ、ムラシタ‥‥彼女の資料を見せて」

「え? なぜですか?」

「いいから、早く」

 リシャンの手の上に一枚の紙がヒラヒラと舞い降りる。そこに一人の女性のプロフィールが書いてあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ