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164/188

164 勝敗は見えている

すぐに距離を取る。リシャンは後を追わなかった。

 攻撃したと同時に偽物リシャンが上から鎌を振り上げてくる。その事実は既に分かっていた。

 数秒間だけ時間を巻き戻す事が出来る。その力を駆使する事で、どんな不利な状況でも覆す事が可能となっている。

 振り向く事なく無造作に剣を掲げる。鎌は弾かれて偽物リシャンはよろけた。

「何⁈」

 よろけながら鎌の先端で鎧のリシャンを突く。が、その攻撃も盾で弾かれた。

「‥‥‥‥」

 偽物リシャンとシャオティンは左右に別れた。

「‥‥‥‥なるほど、コンビネーションはばっちりって事ね」

 リシャンは左右に素早く視線を走らせる。最初にリシャンが攻撃して、次に笛で目くらましをしたシャオティンが真後ろに回る‥‥。それらは画像として、リシャンには見えていた。

「‥‥‥‥」

 分かっていたが、敢えて動かずに攻撃を受ける事にした。

 すぐに予測通りの動きがあり、偽リシャンの鎌の切っ先が、脇腹に迫った。

 が、カシン‥‥という金属音が響いただけで、その刃は鎧の奥には届かなかった。

「はっ!」

 シャオティンの姿が消える。その直後、背中に笛が突き立てられた。

 結果は鎌と同じだった。

シャオティンは唇を噛む。

「‥‥‥‥ふふ」

 リシャンは笑った。これでテロリストを一掃できるのは間違いない。

=油断は禁物ですよ=

「もちろん」

「この!」

 偽リシャンが柄を伸ばして鎌を突き立ててきた。

「‥‥無駄な事を‥‥」

 リシャンがその赤い刃を剣で受ける。

「そんなもので!」

「!」

 偽リシャンの持っていた鎌は、光の剣で刃を斬られた。

「‥‥まさか!」

 鎌の刃は空へと上がり、緩やかな弧を描いて路上に転がった。

 


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