113 崩壊に取り残された者
=シャオティンは、崩壊を食い止めようと尽力したが出来なかった。最後まで崩壊するこの世界にとどまり、彼女は自分の身体と切り離されてしまった‥‥=
「ちょっと待って! シャオティンは人間じゃなくてAIじゃなかったの⁈」
=‥‥そんな管理局の戯言を信じるのか?=
「それは‥‥」
=人間だよ。現実では生まれつき機械の補助なしでは生きられないがな。それはリシャンも同じなんじゃないのか?=
「‥‥‥‥まあね」
=それなら、今のお前もシャオティンと同じ状態だ=
「‥‥‥‥私も身体と切り離されてしまったって事?」
=そうだ=
「‥‥‥‥‥‥」
一気に話を聞いたせいで、リシャンは頭が痛くなりそうだった。
気分を変える為に、その辺を適当に歩いてみる。
商店街の店はほとんどの窓が割れている。
布を売っているこの店は、今では誰も買う人がいないのに、そのまま服が飾られている。
信号機も全てが止まり、折れているものは店に倒れて壁を壊していた。あと何年、何十年かすれば、更に風化が進み、面影もやがて消えていくのだろう。
「‥‥‥‥‥‥」
そもそもレイブンの言う事が本当なのか?
何を信じればいいのだろう。
「‥‥‥‥」
バサっとクロウよりも大きな音をたてて、鷲が下りてきた。
=待て、話の途中で何処に行く?=
「‥‥‥‥うるさいな」
=全く‥‥まあいい‥‥そういうわけでシャオティンはスタンドアローンとしてここに存在する事になった=
「あなたはどうなの?」
=俺は一緒に取り残された、ただのAIだ。監視官ではあったけどな。最近は違うのか?=
「‥‥‥‥」
もしかしたら、クロウも連絡端末とは言っていたが本当はAIだったのだろうか。
=ここが崩壊してからシャオティンと俺はここから出る手段を探し続けた。あの世間知らずだった嬢ちゃんには辛い事だったろうな=
「世間知らずのお嬢さん? シャオティンが? そんな人には見えなかったけど?」
=フフ‥‥お前さんより、ずっと可憐で素直だった‥‥っと=
「‥‥‥‥」
リシャンの目に怒りの光が走った事で、レイブンは途中で止めた。




