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111/188

111 二つの013

 =さっきも言った通り、ここは失敗した世界=

「‥‥‥‥」

 =そしてリシャンがいた所は実行中の世界だ=

「‥‥‥‥」

 つまりここは別世界という事だった。

「良かった、じゃあ私のいた013は無事なんだ。‥‥で、どうやったら帰れるの?」

 =呆れた奴だな。他に聞く事があるだろう=

「今はまあいいかな。私は早く帰りたいの」

 もちろん理由を知りたいと思っている。それ以上に、一刻も早く元の世界に戻って安否を確かめたいという気持ちが強かった。

 =なるほどな、ただの管理局のいぬではないようだ‥‥逆に聞きたいが、リシャンは知らないのか?=

「知るわけないでしょ」

 =‥‥‥‥だったら、なぜ、シャオティンはお前をこっちによこしたんだ?‥‥意味がないではないか=

「‥‥‥‥」

 =では手っ取り早くその問いに答えるが、ここからの出口はない‥‥と、言うか知らん=

「ない⁈」

 =正確に言うなら、あるけど不可能という事だ、そして出来たとしても、やめた方がいい方法ならある。それ以外は知らないが、もしかしたらお前が知っているのかと‥‥=

「‥‥もう!」

 回りくどい言い方に、すっかりと腹が立ったリシャンは、レイブンの首を絞める。

 =な‥‥何をする!=

「知ってるなら、その方法を教えなさいって!」

 =だ、だから話を聞いてたのか? 俺はやめろと=

「ここから戻れるなら、何だっていいのよ」

 =わ‥‥分かったから離してくれ!=

「‥‥‥‥」

 リシャンが手を離すと、レイブンは大袈裟に咳込んで見せた。

 =何なんだお前は! 本当にエージェントなのか?‥‥シャオティンはそんな乱暴な事は‥‥=

「‥‥‥‥」

 =わ、分かった! 分かったって!=

 リシャンが睨むと、レイブンは人間のように咳払いしてから話しだす。

 =あー、つまりだ。その方法を説明するには、この二つの世界の説明からしなければならない。それでいいか?=

「‥‥‥‥」

 リシャンは黙って頷く。


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