11 再会の予感
「‥‥‥‥」
気が付いたら私は今、病院にいる。何とかという難病で、まだほとんど例がなくて、治療法もないとか‥‥運が悪かったらしいけど。
「じゃあ、また来るから」
高校になったばかりの親戚の子が病室から出ていく。そう言えば、私もずっと昔はあんな感じだった‥‥と、思うと随分と年月が経ったんだなって実感する。
「‥‥‥‥」
真っ白な病室。棚の上にはおじいさんになった彼の写真と、一枚の絵が置いてある。
時間的にはお昼を過ぎたあたり。季節は初夏で、開けた窓から入る風が、レースのカーテンを静かに揺らしている。
心地良い空気が顔を撫でていく。それだけが時間の経過を分からせてくれる。
「‥‥‥‥?」
誰かが、部屋の中にいるようなそんな気がして、私は横を向いた。
そこにいたのは、着物を着た黒髪の少女だった。相変わらず体より大きい鎌を持っている。
「‥‥‥‥そう‥‥迎えに来たのね」
遠い昔‥‥いつかまた会う約束をした事を思い出した。
「あなたは、ちっとも変わらないのね」
「‥‥‥‥」
私が話しても、死神の少女は何も返してこない。ただじっと私の顔を見つめている。
選択肢‥‥あのとき、そう言ってた。
結果的には、どうだったんだろうか‥‥。
他人より苦労して、それでも目的は果たせなくて、最後はこんな感じ‥‥。
客観的に見れば間違ってたって事になるのかもしれないけど‥‥。
ううん。違う。
「私の‥‥選択は‥‥」
「‥‥‥‥」
息が苦しくなってきた。そろそろ迎えがきたのかも。
全く‥‥遅いよ。
「‥‥どうだったの‥‥か‥‥な」
「‥‥‥‥」
私の意志には関係なく目が閉じていく。少女の姿がぼやけていって‥‥。




