第6話 まぐろの山かけ 7/7
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午後2時
自分の部屋に戻ってベッドに直行した。
チハルさんには10分間、窓の外で待ってもらう。
今日は1度の外出で2回もキてしまった。
休日モードの山本課長。
普段とのギャップが大きく、かなり強くキた。
一方、休日もそつなくこなしそうな勝村課長は、山本課長ほど好印象ではなかったが、やはり肉体的接触は刺激が強すぎた。
月曜日以来、2回目の勝村課長だった。
「ふう……」
服を整え、ベッドの上で体を起こし、手を伸ばして窓を開けた。
ほどなく、チハルさんが窓から入ってきた。
「男運もなかなか順調ねー。いちいち欲情してんのはめんどくさいけど。どっちが初めての相手になんのかしらね」
「うーん……今のところ、2‐1で勝村課長がリードね」
ティッシュを捨てながらコメントをする私にチハルさんが言う。
「スッキリしながらそういうこと自分で言うようになったら、あんたいよいよ終わりよ」
「うるさいなぁ」
「部下からオカズにされた回数で競わされてるなんて、本人たちが知ったら泣くわよ」
「泣くって……気持ち悪がられるだけでしょ?」
「泣くほど気持ち悪いのよ」
「やめてよ!」
言い返したが、どの口で言うのか私は。
「まぁいいけど、今日はけっこう奮発したわね。晩ご飯」
作るのは今からだが、帰り道にスーパーで買い物をしたときからチハルさんは喜んでいた。
普段なら半額になっていないと買わない刺身を迷わず買い物かごに入れたせいだ。
「今日は300円晩酌はお休み」
「そうなのね。まぁ、映画館の時点で今日のメニュー決めてたもんね?」
「ま、まぁ、そうだけどね」
縛りを外して美味しいものを作る。
こんなに幸せなことがあるだろうか。
「晩酌と股間に力入れ過ぎよ」
「……あげないよ?」
「やだ! まぐろ食べたい!」
ぶつ切りにしたまぐろに、山芋をすりおろし、だし醤油をかける。
本当に、ちょっとした贅沢だった。
「どろろ観てとろろ食べるのね」
「いいのよ、好きだから」
「でもさ、今から作るの?」
「んー」
今から作りはじめてしまうと、午後3時には出来上がってしまう。
映画館で食べたポップコーンのおかげで、まだ空腹にはなっていない。
「洗濯と、てきとうに掃除しようかな。5時くらいから食べない?」
「さんせー!」
ふたりで他愛もない話をしながら、過ごしていると、予定通り、午後5時には今日のご飯が出来上がっていた。
今日のメニューは、まぐろの山かけ、だし巻き卵、焼き厚揚げ、キノコのマリネ、ごぼうとレンコンのきんぴら、あさりの酒蒸し
ピンポーン
土曜日の午後5時、インターフォンが鳴った。
第6話 おわり




