第3話 2種のハーブソーセージ 4/6
「ありがとうございましたー」
「あぁー……息しにくかったぁ……」
『なにしてんのよー、もったいない』
「もったいないって言ってもさ、急に劇的に変わりすぎよ」
あれだけの数の男を同時に見渡したのは、学生時代以来かもしれない。
『結構バリエーションあったわね。渋めの男もいたじゃん』
「確かに……」
『なーんだ、ちゃんと見てたのね。偉い偉い』
うざいな。
『で、どうだった? いやらしい目で見て』
「見てないわよ!」
通勤電車以外でたくさんの男に囲まれたのは久しぶりすぎて、じっくりと見る余裕などなかった。
『まったくもー、しょうがないわねー。じゃあ次はどこに男漁りに行く?』
「本屋さんに本を見に行きます!」
さらにひと駅移動した。
先ほどまでいた駅よりも大きな駅で降り、駅前の書店に入った。
「いらっしゃいませー」
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「ありがとうございましたー」
『なにやってんの! だらしない!』
「だって! あんなすぐに囲まれるなんて思わないもん!」
気になった本を手に取って数分もしないうちに、周りは男だらけになっていた。
危なかった……
あのままだったら同じ本に手を伸ばして触れるなんてことにもなりかねないわ。
『あのままだったら同じ本に手を伸ばして触れ』
「いいわよそれは」
『なによー、人が親切でご指導してるってのに』
「1年のチャンス逃した人が指導してどうするのよ」
『なに? 一度失敗した人は二度とチャレンジしちゃいけないの? 人のチャレンジに関わっちゃいけないの? 日本社会の典型みたいに陰湿な女ね、あんた』
こういう気の強さが男を遠ざけてたんじゃないかな……
書店を離れ、昼食を取りにファミリーレストランに入った。
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「ありがとうございましたー。またお越しくださいませー」
『いやー、ファミレスで相席ってあんのね』
「ないわよ……普通は」
『バカみたいにツイてるわね』
「あのさ、チハルさんのときもこんなだったの?」
『ううん』
「違うの?!」
『うん。なんかちょっと運営の方で調整間違ったのかもね。男運上がりすぎてるわ。まぁ、すぐに発覚して再調整すると思うから、気長に待ってなさいよ』
頼むわよ運営。
『ねね、次はどこ行くの?』
「……もう帰る」
『えー! もう?!』
「……身が持たないのよ」
『すけべ』
「なんとでも言って」
『あ、でも100均は寄ってほしい。ミニチュアの食器とかあったら買って』
「あー、そういうの要るね。わかった」
『やさすぃー』




