第2話 粗大ごみシール 4/8
「なに見てんのよスケベ」
「……お、起きてたの?」
妖精は体を起こしてから答えた。
「今目覚めたとこよ。不潔な視線を感じてね」
反論しようにも、できなかった。
私が何も言わないからか、チハルさんが続ける。
「ま、見ちゃう気持ちはわかるわよ。正直さ、なんでこれで処女なのかわかんないわよ、ほんと」
「まぁ、たしかに」
「いやに素直ね。それよりさ、服乾いたかな」
「あ、そうだったね。浴室乾燥かけてたから、大丈夫だと思うよ」
ベッドを下りて浴室に向かうと、チハルさんも宙を飛んでついてきた。
浴室の扉を開けると、内部に残っていた熱気が顔を包んだ。
下着用のピンチハンガーに吊るされている手のひらサイズの小さなミニワンピースと、さらに小さな下着類に、チハルさんは飛んでいった。
「おー! 乾いてる乾いてる! でもちょっと熱いわね。部屋で冷ましていい?」
「どうぞー」
チハルさんの衣類を外して、2人そろって部屋に戻った。
ベッドの下の収納から、休日用の服を取り出し、着替えを始めた。
「あら? もうどっか行くの?」
「いや、違うけど、とりあえず着替えることにしてるの」
「えらいわねー。あ、そろそろ着れるわ」
言いながら下着とワンピースを着るチハルさん。
ふーん……妖精の服なんて気にしたことなかったけど、そっか、ノーパンってわけにはいかないわよね。
「いやー、私なんかさ、休みの日だったらパジャマのまま一日が終わることだって珍しくなかったわよ。パンツ洗ってなかったら穿かずに耐えてたしね」
この人はノーパンでよさそうね。
「よし! かんりょー! あら、あんたけっこう小ぎれいな恰好すんのね」
「そうかな」
デニムパンツにブラトップとブラウス。
11月でも室内ならこれくらいでいい。
「うんうん。そういう隙のなさが男を寄せ付けないのよね」
「隙とかそんなんじゃないでしょ。モテないし、モテてこなかっただけよ」
「ま、その辺は追い追いわかってけばいいわ」
……なによ。わかったようなこと言って。




