第68話 西方の勇者 其の4 ”第一異世界人、発見”
スリの巻き起こした爆炎の余波は凄まじく、周囲にはまだ熱気が籠っている。
森の木々にも多少引火したが、雨脚を強くしていく雨がかろうじて延焼を防いでくれた。
ジェイデンがスリの肩に手を置いた。
「スリ、あれが魔法なのか?とんでもないな。正直ビビったぜ」
「痺れて動けない時に、身体が熱くなったと思ったら急に思いついたのよね。……うーん?思い出した?よくわかんない、不思議な感じ」
レオは、二人にも星命盤のことを伝えようと思った。
自分の能力を可視化できたほうが現状の力や能力を把握できるし、パーティ内での役割を把握しやすい。
「――――二人に話があるんだ」
「なに?どうしたの?レオ」
「まあ、説明するよりやってみた方が早いか。星命盤展開と言ってみてくれ」
「なにそれ?星命……盤?」
「――――れ、レオ。その語感……もしかして、アレなのか?」
「お?そうだジェイデン。アレだ」
ジェイデンの顔が歓喜と興奮に包まれていった。十歳の子供がどうしても欲しかったオモチャを買いに行く車の中のように。
「おお!じゃあさっそく!星命盤、展開!! ――――これは」
ジェイデンの目の前にも半透明の文字列が展開された。
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【個体名】 ジェイデン・カーター
【種族】 人間種
【年齢】 17
【称号】
・魂の救済者
・星神に選ばれし者
・魔力適性者
【レベル】 8 ⇨ 9 《Lv UP》
【マナ・魔素】 509 ⇨ 523
【体力】 515 ⇨ 541
【魔力】 365 ⇨ 382
【筋力】 897 ⇨ 909
【耐久】 738 ⇨ 754
【敏捷】 311 ⇨ 319
【器用】 402 ⇨ 406
【精神】 620 ⇨ 625
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【固有スキル】
《不屈 Lv.2》
一定の攻撃を無効化、または軽減
《デコイ Lv.2》
敵の注意を自分に向ける
《言語理解》
異世界言語を自動翻訳。
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【スキル】
剣術 Lv.1
体術 Lv.3
魔力操作 Lv.3
魔力感知 Lv.1
集中 Lv.5
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【加護】
《星女神ストレイアの加護・少》
魔力上昇(中)
精神耐性付与
自動治癒 (中)
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【アビリティ】
《虚像の盾》
魔力を帯びた巨大な盾を出現させる。盾の強度は魔力に比例する。
《ピュアヒール》⇦New
軽傷を癒す初歩の回復魔法。
効果:擦り傷・切り傷・打撲程度
《ピュリファイ》⇦New
軽度の毒・麻痺などを中和する
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「レベル……こ、これは……やっぱり俺のステータス画面! ――――はっ!!!!」
ジェイデンは一つの項目に過剰な反応をした。
【筋力】 897 ⇨ 909
「き、筋力が上がっている!!!!復活してからトレーニング後のように筋肉がパンプアップしているような気がしていたが」
「普通そんなこと気付く?キモ。私は全然わからなかったけど」
「フフ。俺くらいになると筋繊維の一本一本の変化すらこと細かに感じ取れるんだよ。……キモくはないぞ」
「ヘーソーナンダー(棒読み)じゃあ次は私ね!星命盤、てんかーい!!」
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【個体名】 スリ・ブラウン
【種族】 人間種
【年齢】 17
【称号】
・煉獄の魔女
・金色のエスパー
・星神に選ばれし者
・魔力適性者
【レベル】 8 ⇨ 9 《Lv UP》
【マナ・魔素】 404 ⇨ 444
【体力】 208 ⇨ 216
【魔力】 512 ⇨ 533
【筋力】 141 ⇨ 126
【耐久】 238 ⇨ 254
【敏捷】 278 ⇨ 289
【器用】 466 ⇨ 478
【精神】 510 ⇨ 519
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【固有スキル】
《テレキネシス Lv.2》
物体への影響(念動)
《サイコキネシス Lv.2》
空間・物体への干渉(念力)
《鑑定》
対象の情報をある程度確認できる
《言語理解》
異世界言語を自動翻訳。
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【スキル】
剣術 Lv.1
体術 Lv.1
魔力操作 Lv.4
魔力感知 Lv.5
集中 Lv.2
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【加護】
《星女神ストレイアの加護・少》
魔力上昇(中)
精神耐性付与
魔力の自動回復 (中)
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【アビリティ】
《ファイアバレット》⇦New
小さな火球を弾丸のように射出。
・威力:中
・効果:直撃で火傷、衝撃とノックバック効果
《フレアボール》⇦New
中型の爆炎球を撃ち出す。
・威力:中
・範囲:中範囲爆発
・特徴:火属性魔法の基本的な主力。
《フレイムピラー》⇦New
地面から炎の柱を噴き上げる。
・威力:中〜高
・範囲:単体
・特徴:対大型生物に有効。
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「ながっ! でも煉獄の魔女、金色のエスパーってメッチャかっこよくない?」
「俺なんて"魂の救済者"だからな。何万人でも救ってやろうじゃないか、俺の手で」
「二人ともすごくカッコいいな」
「そういうお前の称号はなんなんだ?レオ」
「お、俺? ――――俺は……異界の、勇者」
「エ――――!!この世界じゃレオ勇者になっちゃったの!?」
「レオらしい称号じゃないか。俺は納得だよ」
「でも、他の人の文字列は見えないんだな、ちょっとそこは不便か」
「あ、まって、私鑑定っていう固有スキル持ってる。これって――――」
この時、魔力感知に長けているスリが何かの気配を察知した。
スリはシッと口元に指を添えると、魔力を感知した場所を目線だけで確認した。
スリは小声で二人にそのことを伝えた。
「どうした?スリ」
「右側の草の茂みに誰かいる。人数は三人、たぶん人間よ。一応、私が動くまで見ないようにして」
「そんなことまでわかるのか、さすがエスパー」
スリは素早く感知した方向を向くと、手から炎を出現させ、叫んだ。
「そこにいるんでしょ!?三つ数え終えるまでに出て来ないとこのフレアボールをぶっ放す!逃げても同じ!いい!?」
スリはカウントダウンを始めた。
「さんッ!にぃッ!」
「――――わ、わかった!!撃たないでくれ!! 俺たちは敵じゃない!!」
茂みから姿を現したのは、三人の男だった。
年恰好からして三十ほどだろうか。使い古された軽鎧を着こみ、腰元には武器を携えている。
なんにせよ、三人にとってはこの世界で初めて目にする人間だった。レオとジェイデンは、緊張を浮かべていた顔を少し緩ませ安堵の表情を浮かべたが、スリは未だ手の炎を消さず三人の男を注視している。
「いやぁ、アラクーネとの戦いを見させてもらってたよ、俺たちも――――」
「そこに止まって!!」
笑顔で友好的に近づいてくる男たちを、スリは制止させた。
「す、スリ、あの人たちは悪い人には見えないよ」
「ああ、俺もそう思うが」
「甘いのよ!女の子はこれくらい警戒心を持ってないと生きていけないの!」
先頭にいた男が困惑の表情を浮かべて両手を上げた。
「俺たちに敵意は無いよ。信じてくれ」
スリは二人に伝えた。
「私の”鑑定”で見てみるわ。それで素性はわかるはず。 ――鑑定!」
【 個体名 】 ラルク
【 年 齢 】 31
【 職 業 】 Bランク冒険者・剣士
【 レベル 】 15
【マナ・魔素】 143
【 体 力 】 104
【 魔 力 】 31
【 筋 力 】 84
【 耐 久 】 100
【 敏 捷 】 88
【 スキル 】 なし
【 個体名 】 ビンセント
【 年 齢 】 31
【 職 業 】 Bランク冒険者・戦士
【 レベル 】 15
【マナ・魔素】 133
【 体 力 】 109
【 魔 力 】 22
【 筋 力 】 98
【 耐 久 】 129
【 敏 捷 】 61
【 スキル 】 アーマーブレイク
【 個体名 】 ビッセル
【 年 齢 】 29
【 職 業 】 Bランク冒険者・アーチャー
【 レベル 】 14
【マナ・魔素】 109
【 体 力 】 90
【 魔 力 】 40
【 筋 力 】 61
【 耐 久 】 85
【 敏 捷 】 94
【 スキル 】 早打ち(二連で弓矢を打ち出す)
(――――え、よわ!)
スリは思わず心の中でそう叫んだ。




