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高校進学の時にこの街からでて、都市の進学校に進学した星弥。
当時思春期の中で私の初恋は星弥だったわけで、其れなりに喋る気になる彼が、高校進学と共に街を出るということは、大変ショックだった。電車一本ですぐに帰ってこられる距離でもない。
逢えることは、読んだ本やお気に入りの映画や好きな音楽について語ることはなくなるのだなと、そして、友達のまま終わるのだなと一人勝手に落胆していたところに、なんと彼から告白された。
「高校では寮生活になるし、厳しいから長期休みもあまり帰ってこれないんだけど」
少し素っ気なさを感じさせる容貌の割に、ロマンチストな彼は続ける。
「七月七日。紗夜の誕生日は外泊届け出して、必ず帰ってくる。それで、この丘で一緒に星を見る」
まるで七夕伝説だね。
私が織姫?星弥が彦星かな。
年に一度しか会えないわけじゃないけれど、そんな彼の申し出にときめいて、ふとわらいがこみあげた。それから、小さな子供のようにゆびきりを交わした。
中学を卒業した春に交わした約束は高校一年、二年と実現され、今年が三度目の夏だった。




