3/4
3
七夕の夜は、この街で一番良く星の見える場所で星を見る。待ち合わせも夜、その場所で。
これも、ロマンチストな彼の提案だったりする。
彼の隣に寝転がり、空を見上げながら、会えなかった間のことを語り合った。やがてどちらからともなく仲良く手をつないだりして。
始まったばかりの夏の夜は、少し暑い。
やがて空が明るくなりはじめた。
星弥が立ち上がり、こちらに手を伸ばす。
ああ、今年もまた、もうお別れなんだな、なんて
三度目の夏なのに、慣れることはない。
二人は、織姫と彦星は、一年に一度しか会えなかったなんて、嘘だ。
一度だけじゃないのに、また夏休みに逢えるのに、いつも
いつも、夜が明ける前に別れるこの瞬間が、こんなにも寂しくて悲しくて辛くて、泣きそうになる。
いつも、彼の乗る電車を見送る最後までずっと笑顔でいたあとは、家に転がるように帰り、自室に閉じこもって泣く。




