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第7章――ブートストラップ・パラドックス

ウィリアムは気晴らしの散歩から研究室へ戻ると、実験を再開した。有機物を使った実験が何度も失敗したため、彼はひとまずそれらの実験を脇に置き、普通の物体を使った実験へ移ることにした。もしかすると問題は機械そのものではなく、生物の複雑な構造にあるのかもしれない。もし単純な物体をうまく転送できれば、何が問題なのか理解できるかもしれない。彼はさまざまな物体を機械の中に入れ、一つずつ実験を行い、すべての結果を注意深く記録した。しかし、どの実験も例外なく失敗に終わった。

「お茶でもいかがですか?」とジョセフが尋ねた。

「頼む」とウィリアムは答え、煙草に火をつけた。

ウィリアムは椅子にもたれ、煙草を指に挟んだまま天井を見つめた。煙がゆっくりと部屋に充満していく。彼は何年もの間、同じ夢を追い続け、そのために人生のほとんどすべてを犠牲にしてきた。それなのに、夢の実現には一歩も近づいていないように思えた。失敗は、認めたくないほど彼の心に重くのしかかり始めていた。初めて彼は、自分自身もいつか実験と同じように「失敗作」になってしまうのではないかと考えた。すべてを終わらせて、現実の人生を生きることに集中する時なのかもしれない。これまで一度も自分に許してこなかった、普通の人生を。

子供の頃から、ウィリアムは大人になったら自分が何者になるのかということに取りつかれていた。他の子供たちが遊び、子供時代を楽しんでいる間も、彼はいつも未来のことばかり考えていた。自分が犠牲にしているすべてのものは、いつか偉大な何かを成し遂げれば、それだけの価値があるのだと自分に言い聞かせていた。しかし今、失敗した実験に囲まれた研究室で一人座りながら、彼は自分が二度と取り戻すことのできない人生の一部を、無駄にしてしまったのではないかと思い始めていた。

ジョセフは違った。彼は戦争の犠牲者であり、戦争によって故郷で家族を失っていた。そこに残るものが何もなくなった彼は、より良い人生を求めて船に乗り、この国へやって来た。しかし、彼が望んでいた新しい人生は、簡単には手に入らなかった。ある日の気晴らしの散歩中、ウィリアムは路上で眠り、食べ物を求めてゴミ箱を漁っているジョセフを見つけた。ウィリアムは彼を気の毒に思い、家に迎え入れることにした。

最初はただの親切心から始まったことだった。しかし、やがてそれはもっと大きなものへと変わっていった。ジョセフはウィリアムと一緒に暮らし、研究室の仕事を手伝うようになった。時間が経つにつれ、二人は雇い主と助手という関係を超えていった。二人とも人生で大切なものを失っていた。そして、それぞれのやり方で、二人は互いに家族のような存在になっていた。

物思いにふけっていたウィリアムは、テーブルの一つに古い実験報告書が散らばっていることに気づいた。彼はそれらに目を通すことにした。時間を潰すためでもあり、そして自分を悩ませていた考えから気をそらすためでもあった。彼は古い報告書の一つを手に取り、最近行った実験の結果と比較し始めた。

最初は、すべて正常に見えた。実験ごとに使った物体も、設定も、結果も違っていた。それでも、データの何かが彼の心に引っかかっていた。ウィリアムはもう一度報告書を読み返し、今度は分子レベルの測定値に注意を向けた。一つの実験を別の実験と比較し、さらにそれをもっと古い実験と比較した。

古い実験の記録を調べ続けていると、彼は興味深いものを発見した。注意深く見てみると、そこには隠されたパターンがあった。

実験に使われたすべての物体の分子が、同じように変化していた。すべての粒子には量子状態がある。もし機械がそれらを時間座標上で移動させるだけで、その間の関係性を維持しなければ、物体は物理的には元の場所に戻ってきても、根本的には別のものになってしまう。つまり、機械は転送の途中で、その物体を構成する量子情報を分離していたのだ。

ウィリアムは読むのをやめ、手にした報告書を見つめた。彼は急いで他の報告書を何枚も自分の前に引き寄せ、もう一度測定値を確認した。同じパターンが、すべての実験に現れていた。

失敗は偶然ではなかった。

すべて同じ根本的な問題によって引き起こされていたのだ。

機械は単純に物体を時間の中で移動させることに失敗していたわけではなかった。物体が転送の途中にある間に、何かが起きていたのだ。物理的な存在そのものは復元できても、その粒子同士の関係性が維持されていなかった。機械は本質的に、その物体を定義している量子情報を分離していたのだ。

ウィリアムは突然、なぜすべての実験が失敗していたのかを理解した。

これまでずっと、彼は間違った問題を解こうとしていたのだ。

彼は数式を数秒間見つめた。

そして突然、笑い声を上げた。

こんなにも明白なことを、これほど長い間見落としていたなんて信じられなかった。何年にもわたる実験、数え切れないほどの失敗、そして研究室で過ごした無数の夜。そのすべてが、彼の目の前にある答えへとつながっていた。

ウィリアムは大声で笑いながら、自分自身を馬鹿だと呼んだ。

その大きな笑い声を聞き、ジョセフが研究室へ入ってきた。

「どうしたんですか?」とジョセフは尋ねた。

「何でもない。これから面白くなるぞ」とウィリアムは答えた。

そう言いながら、彼はタイムマシンの新しい公式を書き始めた。それまでの失望は完全に消え去り、突然の興奮に取って代わられていた。彼は新しい紙を一枚自分の前に引き寄せ、今発見した問題を考慮しながら、最初から公式を書き直し始めた。

彼は時間転送の計算を変更し、その過程で粒子同士の関係性を維持する方法を考え始めた。数秒おきに手を止めて計算を確認し、それからまた続けた。公式は複雑だった。しかし、久しぶりに、すべてが理にかなっているように思えた。

ジョセフは横から彼を見つめていた。ほんの少し前まで椅子に座り、すべてを諦めるべきなのか悩んでいたウィリアムが、今では完全に研究へ没頭している。その突然の心境の変化が何によって起きたのか、ジョセフには理解できなかった。

新しい公式がほぼ完成したとき、ウィリアムはようやくペンを置き、機械を見つめた。これが本当に動くのか、彼には分からなかった。しかし、理論には確かな根拠があった。もし計算が正しければ、これまでのすべての実験を失敗させていた問題を、ついに解決できるかもしれない。

新しい実験を始めようとした、そのときだった。

誰かがドアをノックした。

ウィリアムとジョセフは、二人とも入口へ目を向けた。こんな時間に誰かが訪ねてくるとは、どちらも思っていなかった。

ジョセフがドアを開けに行ったが、そこには誰もいなかった。研究室の外を見ても、廊下には誰もいない。ドアを閉めようとしたとき、彼は地面に何かがあることに気づいた。

彼は下を見た。

そこには、玄関先にブリーフケースが置かれていた。

それは、先ほどカイがタイムトラベルに使ったものとよく似たブリーフケースだった。


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