第6章――記章の探索
カイは必死に答えを探していたが、今の彼が直面している最大の疑問は、どうやって、いつ、そしてどこから始めればいいのかということだった。
「ああ、暗くなってきたな。泊まる場所を探さないと」とカイは考えた。
彼がいる場所は、どうやら田舎のようだった。カイは散歩しながらモーテルを探し、しばらく歩いたところで運よく一軒見つけた。受付係に挨拶して、部屋を取った。部屋へ向かう前に、受付係に紙とペンを頼んだ。
彼はベッドの横にある椅子に座った。目の前のテーブルには紙を置き、手にはペンを持っている。そして、調査を始めた。
「よし、紋章のことはいったん忘れよう。すべてが始まった場所――俺自身から始めるんだ。」
「俺が知っていることは何だ? どこまで遡って思い出せる?」
彼は思い出せる限りのことを紙に書き始めた。しばらく考えながらページを埋めていき、書き終えると、彼は自分が書いたものを見下ろした。
そこにあったのは、たった一行だった。
「俺の名前はカイ。」
「おかしい……どうして何も思い出せないんだ?」とカイは自分自身に問いかけた。
そのことで、彼は再び紋章のことを思い出した。
彼は紙に紋章を描いた。円の中に3本の線が入っている。それは時計のようにも見えた。
「これは何かのサインなのか? それとも、ただの形なのか?」
「待てよ。もしかして、パラドックスにいたとき、眠っている間にこのタトゥーを入れられて、俺は何かの罠にはめられてるんじゃないか? でも、俺自身はちゃんと自分自身だと感じている。じゃあ、俺は何に対して罠にはめられてるんだ?」
「考えすぎだ。まずは紋章に集中しよう。この紋章の起源を見つければ、答えが分かるかもしれない。」
カイはそう決めた。
翌日、カイは腕時計を質屋へ持っていき、鑑定してもらうことにした。
「それ、売るつもりか?」と店主が尋ねた。
「いや。この時計に刻まれている紋章について、何か分かることはあるか?」とカイは尋ねた。
質屋の店主は、拡大鏡を使って時計と刻まれた紋章をじっくりと観察し、それからカイに知っていることを話した。
「この紋章は、人間が手で刻んだものじゃない。機械で刻印されている。だから、年代としては90年代初頭だろう。それに、この時計のモデルを作った人物も、同じ90年代に生きていたはずだ。この紋章は、おそらく商標だろう」と店主は言った。
これで時間軸の範囲はかなり絞れた。だが、いったい世界のどこを探せば、その起源を見つけられるのか? カイは考えた。
「昔は商品のほとんどが海を渡って運ばれていた。なら、まずは主要な貿易港をすべて調べるところから始めるべきだ。」
カイはそう考えた。
それから数週間、カイはさまざまな貿易港を渡り歩き、その途中で日雇いの仕事をしながら、紋章についてさらに詳しいことを教えてくれる何かを探し続けた。
やがて、船員として船で働いたことがきっかけで、とある港へたどり着いた。そこで彼は、紋章の付いた商品を見つけた。
紋章を見つけたことは大きな進展だった。しかしカイには、次にその商標を所有している商人を見つけなければならなかった。港の記録係なら詳しい情報を持っているかもしれない。だが、その男は頑固だった。
幸いなことに、彼には一つだけ弱点があった。
酒だ。
カイは男を酔わせ、できる限りの情報を聞き出すことにした。そこで港の記録を持って、地元のバーへ向かった。
ところが、男は酔うどころか、次から次へと酒を注文し続けた。
「このままだと俺が破産するぞ」とカイは思った。
カイは腕時計を取り出し、記録係に紋章を見せた。そして、商標について何か知っているかと巧みに尋ねた。
記録係は時計を受け取り、目のすぐ近くまで持っていった。おそらく視力が悪かったのだろう。彼はしばらく商標をじっと見つめ、それから答えた。
「これは、おそらくブラックウェル・マーカンタイルという会社のものだろう。」
「その会社を所有しているのは誰だ?」とカイは尋ねた。
「たしか……エドマンド・ハリントンだったと思う。」
カイはついに手がかりを掴んだ。
そして、答えへこれまでになく近づいていた。




