第4章―ネズミと猫
数時間前まで時間を巻き戻せば、あのスポッター――無表情な男が、同じ占い師のテーブルの前に立っているのが分かる。彼はカイがすることになるのと同じ質問をし、同じ方向を指し示されていた。彼女は彼にも料金を請求しようとした。結局、二人のどちらかが金を払ったのかどうか――それは歴史が記録しなかった些細なことだった。
スポッターが人気のない倉庫へ到着すると、そこにはすでにカイが待っていた。腕を組み、自分でも笑ってしまうほど満足げな顔をしている。
「誰か来ると思ってたよ」とカイは言った。「20分もここで待って、どうやって奇襲するか練習してたんだ。」
スポッターの顔は、微動だにしなかった。
「なあ、あんたの普段の無表情って、完全にパントマイムの人みたいだよなとカイは続けた。「ミスター・マイムって呼んだほうがいい? それとも――エギーちゃん? 頭がツルツルでピカピカだし。」
スポッターたちは挑発を無視するよう訓練されていた。だが、カイは、インターネット上のいたるところで毎日のように「炎上狙い」が繰り広げられている時代から来た人間だった。そして、彼の執拗なまでにくだらない侮辱が、ついにスポッターの防御を突き破った。
スポッターの無表情が、ほんのわずかに歪んだ。それは、危険なほど怒りに近い表情だった。
「お前を生きたまま連れ戻せと言われている」とスポッターは言った。「だが、考え直そうとしている。」
カイがパンチを目で捉えるより先に、スポッターは彼を地面へ叩き倒した。
「待て――俺を始末する前に」と、カイは床に倒れたまま息を切らして言った。「せめて、どうしてタイムマシンが動かなくなったのか教えてくれよ。純粋な技術的好奇心ってやつだ。」
スポッターは、どうやら技術的な質問を未回答のまま放置できない性格らしく、答えた。「旧式のモデルだ。クールダウン時間が必要なんだ。」
「助かるよ」とカイは言い、その身を翻すと、残された力を振り絞って男の首を腕で締め上げ、意識を失わせた。
カイはスポッターの腕時計を奪った。それはブリーフケースよりも小型で、より洗練されたバージョンのようだった。そして自分のアパートへ向かったが、そこはすでに監視されており、バーにいた女が中で彼を待っていた。
彼女に名前を尋ねると「アルファ」と答えた。
「お嬢さん、もう俺を放っておいてくれないか? 難しいのは分かるよ。俺って、人を惹きつける魅力があるからな。」
「あなたは、私が今まで会った中で一番最低な男よ」と彼女は言い、まるでこれが初めての喧嘩ではないかのような素早さで、カイから腕時計を奪い取った。
「今日二回目だな、それ言われるの」とカイは言った。
彼は窓を指差した。「見ろ――白いハトだ。」
彼女は、カイが正気を失ったのかと言わんばかりに彼を見た。「それが、何だっていうの?」
「ちゃんと見てくれるはずだったんだけどな」とカイはため息をついた。まるで、彼女が完璧に決まるはずだった手品を台無しにしたかのようだった。そして、一拍も置かずに言った。「待て――オメガ? お前、ここで何してるんだ?」
今度は、彼女が振り返った。
カイは彼女の手から腕時計をひったくり、彼女が振り返りきるよりも先に、その場から姿を消した。




