第3章―1980年の異邦人
残りのチームが部屋に駆け込んできた頃には、オメガはすでに手錠から抜け出しており、カイはとっくに姿を消していた。誰も責任のなすりつけ合いに時間を使わなかった。パラドックスには、まさにこういう事態に対処するための部門があった――「スポッターズ」。現場での作業と後始末を専門とするエリート部隊だ。オメガは、1980年代に配置されているスポッターの一人へ電話をかけた。
電話に出た男は、表情一つ変えなかった。「君の時間軸に異常が発生した」とオメガは言った。
「ふーん」と男は言い、電話を切った。
オメガはため息をつき、「どうして誰も俺の話を聞かないんだ」と言いながら、もう一度電話をかけた。「それで、どうやって彼を見つけるつもりなんだ?」と尋ねた。そのときになってようやく、男は詳しい情報を聞くのを忘れていたことに気づいた。だが、それでも何も尋ねず、ただ「ふーん?」と言った。
「基準地点から探せ」とオメガは言い、声を平静に保とうと必死になった。「あの装置が曲げられるのは時間だけで、空間じゃない――つまり、彼が着いたのは、この時代における我々の現在の拠点がある場所だ。」
その頃、吐き気と方向感覚の喪失に襲われながら、カイが目を開けると、そこはさまざまな服装の人々で賑わうマーケットだった。自分が本当にタイムトラベルしたという事実を、カイはどうしても信じられなかった。
彼は数字をリセットして、もう一度留め金を開いてみた。しかし、何も起こらない。「まさか、壊れたんじゃないだろうな」とカイは思った。彼は何の計画もなくマーケットを歩き回っていたが、やがて一人の占い師が彼に声をかけた。
「迷子みたいね」と彼女は言った。「まるで、ここへ来るために長い旅をしてきたみたい。何を知りたいのか、私に話してみなさい。」
カイは彼女を見て、嬉しそうに言った。「だったら、あんたが何を知りたいのか、俺に教えてくれよ」と、彼女の口調をそのまま真似した。
「今まで誰かに、あんたは最低なクソ野郎だって言われたことある?」と占い師は苛立ったように言った。
「日常茶飯事だよ」とカイは誇らしげに答えた。
彼女はカイにカードを一枚選ぶよう言った――それが、彼を悩ませている疑問への答えを与えてくれるかもしれないという。カイは、自信満々に答えた。世界中のどんなカードにも、自分の疑問に答えることなんてできない。おそらく、生きている人間の誰にも無理だろう、と。
「それなら、あなたはもう答えを知っているのかもしれないわね」と彼女は言った。
その言葉に、カイは立ち止まった。彼は首の後ろのタトゥーについて考えた。携帯電話を取り出し、首の後ろを写真に撮ってほしいと彼女に頼んだ。彼女はその端末を手に取った――こんなものを見るのは明らかに初めてだった――そして写真を撮った。
カイは画面を見つめた。そこにあった。数字の「1」。自分がいつ入れたのか、まったく記憶にないインクで刻まれていた。
その時、とある記憶がフラッシュバックし、完全に考え終わるより先に彼は走り出していた。その背後から、占い師が金を払えと叫んでいた。
「俺、金なんて何も持ってないし、それに大事な仕事があるんだ!」とカイは走りながら叫び返した。




