第2話 冒険者ギルドでまさかのFランク!? そして受付嬢もドン引きのスキル鑑定
朝日が森を照らしていた。
「生きてる……。」
牢屋を脱獄して一晩。
焚き火の前で目を覚ました俺は、改めて異世界に来たことを実感する。
「おはよう。」
隣ではミルクが木の枝でスープを温めていた。
「これしかないけど。」
「ありがとう。」
見た目は質素だが、温かいだけで十分だった。
「そういえば。」
ミルクが首を傾げる。
「名前、まだ聞いてなかった。」
「あ。」
確かに。
「俺はユウ。」
「ユウ。」
ミルクは小さく笑う。
「よろしく。」
「こちらこそ。」
その笑顔を見ると、牢屋で会ったばかりとは思えなかった。
◇◇◇
昼前。
二人は王都近くの街『リーベル』へ到着した。
「すご……。」
石畳の道。
露店。
馬車。
鎧姿の冒険者。
完全に異世界だ。
「まずはギルド。」
ミルクが指差す。
木造三階建ての大きな建物。
入口には大きく『冒険者ギルド』と書かれていた。
中へ入ると、一斉に視線が集まる。
「新人か。」
「女の子かわいいな。」
「男は貧弱そう。」
聞こえてます。
受付へ向かう。
栗色の髪をした受付嬢が笑顔で迎えた。
「ようこそ冒険者ギルドへ。」
「登録お願いします。」
「もちろんです。」
受付嬢は書類を差し出す。
「では、スキル鑑定を行います。」
やっぱりあるのか。
水晶玉が運ばれてきた。
「手を置いてください。」
俺は恐る恐る触れる。
水晶が光る。
文字が浮かび上がる。
――
名前:ユウ
年齢:18
ランク:なし
スキル
【SSS おち◯ぽ砲】
――
受付嬢の笑顔が固まる。
「……。」
「……。」
「……え?」
周囲も見ていた。
「ぶっ!!」
「なんだその名前!」
「誰がつけたんだよ!」
「いや俺じゃねぇ!」
ギルド中が爆笑に包まれる。
受付嬢だけは真顔だった。
「えっと……。」
「はい。」
「規約上、スキル名は変更できません。」
「知ってます。」
「カードにも印字されます。」
「やめろ。」
「二つ名になる可能性もあります。」
「死ぬ。」
ミルクは肩を震わせている。
「笑うな。」
「ご、ごめん……。」
全然反省してない。
◇◇◇
「ですが。」
受付嬢は表情を変えた。
「SSSスキルは世界でも数人しか確認されていません。」
ギルド内が静まり返る。
「本物なら、国家戦力級です。」
「……え?」
「確認のため、試験場へお願いします。」
◇◇◇
裏庭にある訓練場。
石でできた巨大な的。
歴戦の冒険者たちが見物している。
「では。」
受付嬢が言う。
「全力で放ってください。」
「いや、牢屋壊した時は勝手に出たんだけど。」
『おち◯ぽ砲。』
心の中で唱えてみる。
すると右腕に熱が集まる。
「また来た!」
黒い魔力が渦を巻く。
「い、いきます!」
ズガァァァァァァン!!
轟音。
衝撃波が一直線に走る。
石の的は跡形もなく消えた。
さらに奥の岩山まで真っ二つ。
風圧だけで冒険者たちの髪が逆立つ。
静寂。
誰も喋らない。
「……。」
受付嬢が震える声で言った。
「確認しました。」
「本物です。」
その瞬間。
ギルド中が騒然となった。
「バケモンだ!」
「SSSだ!」
「名前は終わってるのに!」
「そこ言うな!」
◇◇◇
「ランクは特例でEランクから。」
受付嬢がギルドカードを差し出す。
「本来ならFですが、戦闘能力を考慮しました。」
「ありがとうございます。」
「ですが。」
受付嬢の顔が曇る。
「問題があります。」
「?」
「あなたを指名している人物がいます。」
入口が大きく開いた。
ドォン!!
全身を黒い鎧で包んだ巨漢。
背中には大剣。
首にはSランク冒険者の証。
ギルド内が静まり返る。
「いたぞ。」
男は俺を睨む。
「お前がSSSスキル持ちか。」
ミルクが息を呑む。
「あいつ……。」
「知ってるのか?」
「Sランク冒険者。」
「《黒鉄》のガルド。」
ガルドは不敵に笑った。
「新人。」
「俺と勝負しろ。」
ギルド中の視線が、一斉にユウへ集まる。
――第3話「Sランク冒険者との決闘。SSSスキル、おち◯ぽ砲の真価」へ続く。




