第54話 勘違いシンドローム
(またも更新忘れで大変申し訳ぬぇ……)
色々と立て込んでて(言い訳乙)
すいませんでした orz
「私がッ…………神鵺に恋してるってぇ!?」
んな馬鹿な!?
だって、アイツはダチだぞ!?
そりゃ、好きとは思ってるが、それはダチとして、友として好きって事だ!
テメェらこそ勘違いすんじゃねぇ!?
「でも環奈様、ずっとご主人の事が気になってるんですよね?」
「挙げ句に喧嘩し、また世界を壊した」
あぁ、あの異世界では追い掛けっこの余波でヨーロッパを壊しちまった。色々と、ブッ放してたからな。京都からお江戸を渡って蝦夷の地へ。やがてヨーロッパへ辿り着き、スペインで馬車をブン回し、イギリスの端で核融合爆発を4、5発。神鵺は何を思ったのかマリーアントワネットを引き連れて、モーツァルトの元へ置いていった。私が神鵺を捕まえた場所は、Uターンした後のロシアの森だった。
「そりゃ……アイツは、一つの目標だからな」
「非道を求める事は咎めません。しかし環奈様、先程も言うように言い訳をしておられませんか。それは、"カッコ悪い"事で御座います」
「何!?」
「彩月喋るねぇ」
「環奈様。今一度、自身の胸に聞いてみておくんなまし」
「……私が……神鵺の事を……」
そりゃ、マッチポンプとは言え私の境遇の事を何とかしてくれたし、やり方は酷いが鵺からも助けて貰えたし、何かと私の為にしてくれるけど。それはダチだからだろ? 容姿もせいぜいC+、一般的で好印象な人種程度のアイツだ、何処に異性として気にする要素がある。コイツらが勝手に変な期待してるだけじゃねぇのか?
「……考えはしたが、奴を異性としては見られねぇな」
「マジかッ」
「……そうで御座いましたか。無遠慮に押し付けようとした事、お詫び申し上げます」
「しかしそれならよ、お前らはどうなんだ?」
「「えっ」」
「神鵺の事ご主人って呼んでるけど、男としてどうよ?」
「最低最悪死ぬべきお方」
「知ってる? この前異世界で狩猟した時、気に入った女の子の事__した挙げ句に____して____したんだよ?」
「……ふぁ?」
素っ頓狂な声が出ちまった。
何だって?
つまり、嫌がる女を……んで首撥ねて、しかもその死体で……?
「彼、死体性異常性癖者だから」
「身内である事が唯一命綱、私達も危ない」
「…………」
声も出ないとはこの事か。
私には辿り着けない境地だ。
私の事を思ってくれるダチが、実はそんな口にするのも憚られる嗜好を持った人間のクズだったなんて。いや、クズなのは知ってたが、ここまでだったとは。ハハッ、私の親なんて足元にも及ばない奴だな。そりゃ同情も抱かねぇわ、もしや私の身体すら狙ってるのかあの男は。
「……フッ……クク……」
「「……?」」
じゃぁ私は一体何なんだ。
こんなにも幼稚な私が、カッコ良さを求めて強くなってたのか。
あの遠慮無い異常性癖者のサイコパスに、踊らされて、その配下に忠告を受ける。
まったくもって、笑われるわけだ。
「ッハハハハハハハ!! ヒヒッ! フハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「撤退」
「ご主人ご主人!! 環奈様が壊れたぁあー!!!!」
笑うしかねぇよ、こんなの。
何が最強の狩猟者だ。
私の隣にいたと思ってた奴が、実は遠い世界にいて、しかもそこから道を辿る事無く血みどろの世界に浸かっていたなんてさ。出来が違いすぎる。生まれも思想も、何もかも。私は奴に追い付けやしねぇ。Sランク? 違ぇよ、奴は規格出来ない領域に立っている。EXだ。判定出来ない概念なんだ。その精神は、最早この地上には存在しない。遥か宇宙の果てに鎮座する神が如く、矮小な存在には知られちゃいけない場所で蠢いているんだ。根本的に私達の事を理解出来ないし理解されもしない、冒涜的な異形なんだ。全ての常識が通じない深淵の彼方なんだ。知ってるよ、白痴の王って名だったか?
「環奈!?」
「環奈様!」
人間のフリをした邪神だ。
私は、そんな邪神の玩具にされていたんだ。
あんな糞共も想像出来ないような恐怖に落とされるんだ。
「よぉ、神様。生け贄を取りに来たのか」
「今度はどうした、情緒不安定だな。馬鹿姉妹に何を吹き込まれた、ッ!?」
寄るな!
私の手を取るな!
「人間のフリをするなよ邪神が! 私に高みを見せて、破滅を楽しんでいたんだろ!」
「何発狂してんだ環奈、落ち着け。俺はただの含機械生命体だ」
「環奈様、お気を確かに!」
「黙れ! 私は正気だ! テメェの食指を逃れて、生き延びてやる!」
窓だ! 窓の外に逃げるんだ!
今なら見えるぞ邪神、その沸騰した肉のような醜い姿が!
絶対捕まらないぞ!




