第46話 第九番目の力
「何だ狩猟者、もう帰って来たのか」
狩猟者襲撃までまだ50分ある状態で帰って来たしな、そりゃ不思議がるか。
「俺と父ちゃんの事をリークした魔術師の記録を消してやった。俺の能力も大分強くなってきたみたいでな」
「……その鼻血痕は、そういう事か」
「ちょいと無茶しちゃった」
「休んでな。時が来たら、堕ちた熾天使の力、たんと見せてやる」
「おう」
天の意に背いた天の御使い、前に見た力は、ただ軽く息を吹いたようなものだ。
今回は、デコピンぐらいの力は見せて欲しいな。
期待を胸に、午後2時。
「来たか」
『スキャン完了、BランクからAランクまでの狩猟者のようだ』
「何秒かかるかな?」
「長くて40秒ですね」
邸の屋上に陣取ってる信が、何時の間にか用意したスピーカーで問い掛けた。
「良く来た狩猟者共、一旦止まれ。よし良い子だ。自分はちょいとした事情で堕とされた天使だ。20数えるまでに全員消えろ。そうすれば命は無事だ。ただし、”1人でも攻撃して来た場合、逃げたヤツ含め全員殺す”。以上だ、カウントダウン開始」
で、当然全員がそんな事を聞くはずも無く。
残り15秒って所で殺戮が始まった。
「殺戮」
天空から光の波動が降り注ぎ、10秒でBランク全員が死亡。残り40人。
その後超高速機動でAランクが1秒に2人、3人、4人のペースで殴り殺され、30秒チョッキリで100人抜きが終わった。
玄関前の広場に立つ彼女の姿は。
三対の翼を血に濡らす堕天使の姿は。
とても美しかった。
「……リトラ」
「ん?」
「信って、あんな綺麗だったんだな」
「!?」
あ、今のは失言。
「終わったぞー、って……」
「いくら神鵺さんでもサリーは渡せませんからね!!!!! あの子は私の親友ですからね!!!!」
「分かった分かったからポカポカするな」
「何してんのお前ら」
「思わず信の美しさを認めてしまった事を呟いたらリトラが怒った」
「サリー!! 貴方の美しさを一番知ってるのはこの私ですからね!!! 貴方の隅々まで知ってるんですからね私!!!!」
「レズ発言はお控え下さい」
「事務的発言!!!」
「天使と悪魔のいけない恋愛!?」
「禁断の味ッ」
「馬鹿姉妹はだぁってろ」
信の強さをそっちのけにドタバタしてる若年組と違い、大人組は紅茶なんて啜りながら信の強さに感嘆していた。一人は冷や汗流してるが。
「儂でもあの速さには敵わんなぁ」
「流石は熾天使って所か。いや、信自身の強さだな」
「この死屍累々の状況はどうすれば……」
気付けば、ここも賑やかになってきたな。
父ちゃん。俺、今凄い幸せだよ。
よくよく考えたらハーレムだもん!!
爺に赤ん坊もいるけど!!
「アンマァ、アッ、エェウ」
「穏やかな子育ての側で大殺戮……この子の将来が不安になってきた……」
―――――――データ―――――――
氏名:神条 神鵺/ジェイク 性別:男 年齢:18歳
種族:含機械生命体/黒の御使い
職業:専門学生
クラス:狩猟者/銃闘士
ランク:S
契約者:リトラ=デビリッシュ
クリスタル:黒金剛石
侵蝕率:20%
レベル:47
【ステータス】
筋力:A+2 敏捷:S+ 生命力:A+3
感覚:C+2 器用:B+3 知力:A+3
精神:B+2 幸運:B 容姿:C+
【能力】
《思考世界:EX》
《放射:A+3》
《情報操作:A+3》
《____》
神条 神鵺と言う人物の謎が更に深まって来たこの頃。
普通の家庭に生まれ育ったはずの彼が、何故あそこまで異常なのか。
それは後で分かったり分からなかったりする。神のお味噌汁。
―― 次回予告 ――
日和です! 彩月です。
二人揃って、足立ツインズ! です。
ご主人って割と幸せな部類なんだね。
けど、どうして家庭崩壊したんだろう……。
それはもうドロドロでヌマヌマした愛憎劇が絡んでいたりして。
は、いないみたい。
ネタバレェ!!!!!!!
そろそろ次回の予告。
最近出番の無かった環奈様がメインらしい。
ご主人とバトりたくて仕方が無いみたいね。
でも、その為に取った方法のせいで喧嘩に……?
え、嘘!? 環奈様死んじゃうの!?
いや、違うみたい。
どゆ事!? 環奈様、人が変わったみたいに性格変わったんだけど!?
これが……《世界征服》……!
友の危機を前にする時。
ご主人の嗜虐心は有頂天に達する。って何で!?
次回ソウルダッシュ。〔チ 近しき中にも垣を結え〕
「神鵺ぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」




