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店長呼びを卒業するとき
二人で虹を背に微笑む。
撮影ボタンをタップしたあと、
同時に口を開いた。
「あの……」
「あのさ……」
「あっ」
目が合って、
思わず小さく笑ってしまう。
葵が言いかけた言葉を待つように、
大和は静かに言った。
「……及川さんからでいいよ」
葵が少し緊張したように息を吸う。
「あの……店長……」
その呼び方に、
思わず苦笑いがこぼれた。
「店長呼びは、もうやめない?
俺、もう及川さんのバイト時代の店長じゃないよ」
虹の色が、
二人の間にそっと落ちてくる。
葵は一度だけ息を整え、
言葉を選ぶように口を開いた。
「……高田さん」
呼ばれた瞬間、
胸の奥が静かに揺れた。
驚きと、
嬉しさと、
少しの照れが混ざる。
「……うん」
それしか言えなかったけれど、
声は自然と柔らかくなっていた。




