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まとう空気が変わる
葵の言葉を聞きながら、
大和はゆっくりと視線を海から彼女へ戻した。
「……そう言ってもらえると、嬉しいよ」
声は低くて、
少しだけ照れているようにも聞こえる。
「東京も、こっちも……
全部、来てくれてよかった」
言葉を選ぶように、
一度だけ小さく息を吸う。
「……こうして話せるの、いいな」
その言い方は控えめなのに、
胸の奥の嬉しさが静かに滲んでいた。
大和はまた海のほうへ視線を戻した。
でもその横顔は、
さっきよりほんの少しだけ柔らかい。
二人のまとう空気も、
ゆっくりと温度を変えていく。




