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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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言葉で伝える感謝

「あの……」


声を出した瞬間、

自分でも少しだけ緊張しているのが分かった。


「お店に誘ってくださって……ありがとうございました。

ちゃんとお礼、言えてなかったなって思って」


大和が横で、ゆっくり視線を向ける。


「店長が一つ一つこだわって作り上げた空間に入れて……

すごく幸せでした。

東京のお店も、本当に素敵で」


ふっと笑みがこぼれる。


「同じ期間限定のお店なのに、

なんだか全然違ってて……

店長の頭の中、どうなってるんだろうって思いましたよ」


言いながら、

視線を海のほうへ戻す。


「……それにしても、すごく綺麗ですね。

確かに東京にはない景色で……来られてよかったです」


言ったあと、

胸の奥がじんわり温かくなる。


大和はすぐには返事をしない。

でも、

その沈黙がどこか優しくて、

葵の言葉をひとつひとつ

大切に受け取ってくれているように感じた。

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