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会いたさに負けて
展望台へ向かう坂道を歩きながら、
大和は何度も時計を見た。
(……まだ30分前か)
早すぎるのは分かっている。
でも、部屋にじっとしていられなかった。
(来てくれるんだよな)
その思いが胸の奥を温かくして、
足が自然と前へ出る。
展望台の入口が見えてきたとき、
ふと人影が目に入った。
(……え?)
白い息を吐きながら、
入口の横で立っている女性。
上着の襟をそっと押さえて、
寒さに肩をすくめている。
大和の胸が一瞬で熱くなる。
(……来てる)
思わず歩く速度がゆっくりになる。
驚きと、嬉しさと、
どう声をかければいいのか分からない緊張が同時に押し寄せる。
でも、
その背中を見た瞬間、
自然と口元が緩んだ。
(……早いの、俺だけじゃなかったんだな)




