表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
600/615

見せたい景色

思っていたより早く目が覚めた。

静かな部屋の中で、

胸の奥だけがそっと弾んでいる。


(……今日、会うんだ)


その一言が、

眠気より先に意識をはっきりさせた。


身支度をしながら、

気づけばいつもより丁寧に手が動いていた。

メイクも、ほんの少しだけ時間をかけてしまう。


クローゼットを開けて、

上着を手に取ったところでふと昨夜のメッセージを思い出す。


---

11時に、展望台の入口でどうかな。

見せたい景色があるんだ。

俺も気に入ってる場所で。

高台だから、少し寒いかもしれない。

---


(……寒いかも、か)


その一言が、

胸の奥をふわっと温かくした。


自分のことを気遣ってくれたのが嬉しくて、

上着をもう一枚手に取って鏡の前に立つ。


お気に入りのコロンを軽くつけて、

前髪を整えて、

「変じゃないかな」と小さく息をつく。


バッグにスマホを入れながら、

もう一度メッセージを読み返す。


(……展望台)


店長が“見せたい”と言ってくれた景色。

その場所に自分が行くんだと思うと、

自然と足取りが軽くなる。


時計を見ると、まだ早い。

でも、部屋にじっとしていられなかった。


(……行こう)


小さく息を吸って、

ホテルのドアをそっと閉めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ