表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
598/615

急に我に返る

ホテルの部屋に戻り、

ドアを閉めた瞬間、

静けさが一気に押し寄せてきた。


胸の奥に残っている温度は、

星空でも、夜風でもなく──

店長の声の余韻だった。


バッグを置き、

コートを脱ぎながら、

ふと現実的なことが頭をよぎる。


(……明日、どこに行けばいいんだろう)


誘われた瞬間は、

ただ嬉しくて、

胸がいっぱいで、

場所も時間も聞く余裕なんてなかった。


ひとりになって落ち着いた今、

ようやくそのことに気づく。


変に期待してると思われたくない。

でも、ちゃんとしたい。

迷惑はかけたくない。


スマホを手に取って、

DMの画面を開く。


打っては消して、

また打っては消して。

慎重になりすぎて、

でも聞かないわけにもいかなくて。


何度目かの入力で、

ようやく指が止まった。


「明日、何時にどちらへ伺えばいいですか?」


送信ボタンに触れる直前、

胸が小さく跳ねる。


(……どうしよう……緊張してきた)


深呼吸をひとつして、

そっと送信した。


画面に表示された「送信済み」の文字が、

静かな部屋の中でやけに大きく見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ