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20年間忘れられなかった人と、もう一度恋をする  作者: 柚原 澄香


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再会を迎える朝

朝の光がカーテン越しに差し込んで、

大和はいつもより少し早く目を覚ました。


(……今日、来るんだよな)


その一言が胸の奥に静かに落ちる。


ゆっくりと身支度をして、

コーヒーを淹れながらスマホを手に取る。

昨日の夜、

“もう気持ちを隠す必要もない”と気づいた自分を思い出す。


(……送ったほうがいいよな)


でも、文面は慎重に。

何度か書いては消して、

ようやく指が止まった。


---

おはよう。

こっちは晴れてて、いつもよりは暖かい気がするよ。

とはいっても、まだコートはいるけどね。


今日、店があるから迎えには行けないんだけど、

無事に着いたら一言くれたら安心する。


じゃあ、またあとで。

---


読み返す。

普段より、ほんの少しだけ柔らかい。

でも、それでいい。


(……これくらいなら、重くないよな)


送信ボタンを押した瞬間、

胸の奥がふっと軽くなる。


スマホを伏せて、

深く息を吸う。


(よし……今日も頑張ろう)


その言葉は、

店のためだけじゃない。

葵が来る今日を、

ちゃんと迎えたいという気持ちが背中を押していた。


大和はコーヒーを飲み干し、

静かに立ち上がった。

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