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次はゆっくり
搭乗口の前の椅子に座って、
葵は暗い滑走路をぼんやりと眺めていた。
昼の灯。
夜の灯。
大和の横顔。
忙しそうな背中。
一瞬だけ向けられた微笑み。
胸の奥に、まだ熱が残っている。
スマホを開いて、
迷った指先が、そっと動いた。
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今日はありがとうございました。
弾丸で伺ってしまってすみません。
昼も夜も、とても素敵でした。
また、ゆっくり伺えたらと思います。
お忙しいと思いますが、お身体に気をつけてください。
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送信ボタンを押した瞬間、
心臓が少しだけ跳ねた。
(……送っちゃった)
飛行機に乗り、
空港から電車に揺られ、
家に着く頃には日付が変わりそうだった。
鍵を開けて部屋に入った瞬間、
スマホが震えた。
“大和”
葵は思わず息をのむ。
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来てくれてありがとう。
昼も夜も寄ってくれて、ほんと嬉しかった。
バタバタしてて、ほとんど話せなくてごめん。
また来られるときは、ゆっくりしていって。
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その言葉を読んだ瞬間、
葵の胸の奥がじんわりと温かくなった。
(また来ていいんだ)
(次は……ゆっくり来たいな)
バッグを床に置いたまま、
葵はしばらくその画面を見つめていた。




